2013 Fiscal Year Annual Research Report
実用的ソフトマター材料設計への粗視化シミュレーションの応用
Project/Area Number |
23244087
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 量一 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10263401)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 計算科学 / 計算物理学 / 科学物理 / 統計力学 / 高分子構造・物性 |
Research Abstract |
本研究では、シミュレーションによる実用的なソフトマターの材料・プロセス設計を想定し、我々自身がこれまで開発してきた各種シミュレーション手法を発展させて、複数の具体的問題の解決に取り組んだ。いずれも流体や分散粒子や外力といった複数の自由度が連 成する複雑な状況であり、境界条件の設定など自由度間の適切な結合が本質的に重要である。平成25年度はコロイド分散系に対する粗視化モデルであるSP法をさらに改良し、現実的ソフトマター材料のへの応用を進め、以下の具体的成果を得ることに成功した。 1.任意形状粒子の分散系への適用:球形粒子を多数組み合わせることで任意形状の剛体粒子を表現できるようにプログラムを改良した.これを用いて種々の非球形粒子分散系の動的課程に関するシミュレーションを行い、任意形状の剛体粒子についてもSP法は十分な精度で現実の結果を再現できることを確認した. 2.干渉沈降の大規模シミュレーションへの適用:沈降する微粒子の挙動は、様々なアプローチで研究が行われたにもかかわらず十分に解明されていない.SP法による直接シミュレーションにより、そのミクロ構造や協同運動に対する粒子の体積分率,ペクレ数,レイノルズ数依存性を明らかにした. 3.自己推進粒子系への適用:水中を泳動する微生物を模した球状のモデル自己推進粒子(スクワマー)の動的性質をSP法を用いた直接数値シミュレーションで明らかにした.特に多数のスクワマーが分散した溶液中におけるトレーサー(普通のコロイド粒子)の拡散運動を詳細に検討した.また、非対称形状の壁面に対して、スクワマー粒子は方向性を持った駆動力を発生させることを直接シミュレーションで示しただけでなく,さらにその駆動力がスクワマーの泳動様式(押出型/引張型)に大きく依存することも見いだした. 4.これまでの成果を反映したシミュレーションソフトKAPSEL-3を一般公開した.
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(15 results)