2012 Fiscal Year Annual Research Report
沈み込み地震発生分岐断層の断層メカニズムとその進化
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23244099
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木村 学 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80153188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 善孝 高知大学, 自然科学系, 准教授 (40346698)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 固体地球物理学 / 地震 / 大深度地下 / 地球変動予測 / 地質学 / 南海トラフ / 付加体 / 断層 |
Research Abstract |
沈み込み帯における地震の観測・実験・理論研究の急進展をふまえ、その一層の飛躍をはかるためのツボというべき断層メカニズムの理解が本研究計画の目的である。特にプレート境界から分岐する断層で起きる、ゆっくり地震から巨大地震までの多様なすべりメカニズムの解明に焦点を当てる。そのために、最も好研究条件にある過去の地震発生分岐断層である九州延岡衝上断層を対象に、陸上掘削を実施したが、第2年度はそこで得られた掘削孔に対して孔壁音響および光学イメージング、弾性波速度検層、中性子間隙率検層、比抵抗検層、自然ガンマ線検層、孔径測定検層結果を分析した。以上の掘削孔、および掘削コアからのデータ取得の結果に基づいて、そして以下の成果を得た。 (1)断層帯の岩相区分:断層上盤は、主にフィライトから構成されるが、砂岩の含有量に変化が見られる。断層下盤は、変形した泥岩、砂岩、凝灰岩から構成され、層準による岩相の変化が顕著である。その岩相の変化に基づいて区分した。下盤全体は断層帯内部と想定される。 (2)孔壁画像イメージに基づいて、断裂の方位を分析した。また、それを基に回収コアの肉眼的断裂観察方位の回転補正を実施。断裂の分類に基づく方位卓越性についてデータを整理した。 (3)断層の上盤、下盤、断層コアにおいて間隙率、比抵抗、弾性波速度、に顕著な違いがあることが判明、下盤は更にいくつも断層破砕帯からなることも明らかとなった。それらから断層に伴うダメージを定量的に取り扱うことに成功しつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
断層帯における掘削によるコア回収は掘削に寄る擾乱等により、通常あまりよくないが、本掘削では掘削に寄る擾乱がほとんどなく、ほぼ100%回収と期待以上であった。また、孔壁画像イメージと回収コアの比較により、断裂の詳細にいたるまで、現位置復元と可能となった。これらは期待以上であった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初の計画通り、引き続き非破壊による分析を更に進める、また、断裂系の分類に基づき、それらの詳細な分析をすすめる予定である。また集中して実験する試料の抽出を終えたので、それらについて詳細な物性と断層に伴う微細構造との関係を解明する予定である。
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Research Products
(26 results)