2011 Fiscal Year Annual Research Report
衝撃圧縮を用いた軽元素物質の金属化、圧力スケールの解明と地球惑星内部研究への応用
Project/Area Number |
23244106
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
真下 茂 熊本大学, 衝撃・極限環境研究センター, 教授 (90128314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋谷 秀敏 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (30170921)
下條 冬樹 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (60253027)
藤井 宗明 熊本大学, 衝撃・極限環境研究センター, 准教授 (10181322)
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Keywords | 衝撃圧縮 / 状態方程式 / 金属化 / 圧力スケール / 地球・惑星内部 |
Research Abstract |
本研究は、衝撃銃を用いて常温・高温出発のユゴニオと衝撃圧縮下の電気抵抗の計測を行い、地球内部の境界問題、太陽系外惑星の内部構造、惑星磁場を研究することを目的とする。 平成24年度は、一段式火薬銃と二段式軽ガス銃と組み合わせた高速流しカメラシステムによって金、白金、タングステと、銅などの常温出発のユゴニオを200GPa以上まで精密に測定した。これらは圧力スケール,さらに地球内部解明の基本データとなる。一段式火薬銃に高周波加熱装置を組み合わせて金とタングステンのユゴニオを出発状態が700,800℃で70GPa程度までの流しカメラシステムによって世界で初めて計測した。状態方程式を精密に議論するために、タングステンについて、レーザ速度干渉計(VISAR)によって常温出発と高温出発の粒子速度履歴を計測し、弾性限界を明らかにした。これらによってタングステンのグリューナイゼン定数を直接議論し、状態方程式を確定した。 高いインピーダンスが期待されるBSOの常温出発のユゴニオを200GPa以上まで測定し、GGG以上の衝撃インピーダンスを持つことを明らかにした。メタン、アンモニア、水素などの電気抵抗測定実験に備えて、将来、20Kまで試料を冷却して実験が行えるように、観測室、クライオスタットを設計した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
金、白金、タングステン、銅などの常温出発のユゴニオ計測を計画どおり修了し、高温出発のユゴニオの計測に世界で初めて成功した。これらによって新しい圧力スケールのメドを立てた。VISARによる粒子速度履歴の測定技術を確立した。電気抵抗測定のアンビル用に期待されるBSOのユゴニオを計測した。水などの電気抵抗の測定実権は若干遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
二段式軽ガス銃で5km/s以上の飛翔体速度を達成するために推進ガスに水素が使えるようにするためと、将来、水素の電気抵抗の測定実験を行うために、実験室に水素の排気、探知、電気系統の防爆化を行う。アンビル用のCVDダイヤモンドのユゴニオを計測し、水の電気抵抗の測定を開始する。アンモニア、メタンなどの計測を行うために測定チャシバーと冷却装置を設計製作する。温度測定のためにパイロメータの製作を検討する。
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