2012 Fiscal Year Annual Research Report
非平衡プラズマ物理学のための乱流計測シミュレータ研究
Project/Area Number |
23244113
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
伊藤 公孝 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (50176327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
糟谷 直宏 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (20390635)
村上 定義 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40249967)
登田 慎一郎 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (60332186)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2016-03-31
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Keywords | プラズマ乱流 / 輸送現象 / 長距離相関揺動 / 実験的検証法 |
Research Abstract |
本研究の全体計画は、個別ステップ (a)大域的な非平衡ダイナミックス(プラズマ中の様々な領域が多スケールの揺動を介在として結びつき全体の構造を作り出す過程)の理論研究、(b) 乱流計測シミュレータによる大域的因果関係の観測、 (c)実空間の輸送界面や速度空間構造と乱流の相互作用に関する理論・シミュレーションによる研究、(d)得られる予言の実験での検証、から構成される。乱流計測シミュレータが、大域的非線形ダイナミクスの本質的な過程を見いだすための研究方法論となる事を実証し、非平衡プラズマの物理に新しい進展をもたらすことを目指す。 平成24年度には、上記(a)-(d)の観点から次のような進展を得た。(a)大域的な非平衡ダイナミックスの理論研究では、空間的にはなれた位置での相反する輸送応答の具体的研究を進めた。非拡散型輸送現象との関連を解析した。(b) 乱流計測シミュレータの研究では、前年度までのシステム高度化に立脚し、乱流計測シミュレータを用いた解析を進めた。乱流の塊の間欠的移送に対し統計的解析を行った結果、その運動のダイナミックな相関長を評価することに成功し、移動速度の理論的評価を検証することが出来た。ダイナミック輸送現象の実験観測への具体的応用を開始した。 (c)輸送界面や速度空間構造と乱流輸送の相互作用の理論・シミュレーション研究は、代表者や分担者(登田)による内部輸送界面研究を進めるとともに、分担者(村上)が開拓した高精度ICRF加熱解析コードを活用し、イオンのエネルギー分布関数の構造と駆動流を介在とした乱流揺動構造の結びつきを研究に成果を得た。(d) 先進データ解析法と実験検証では、輸送界面探査法や、広域相関探査法を展開し、実験データ解析に適用開始する。LHDやHL-2A装置を用いた実験に適用を進め成果を得た。揺動解析国際共同作業ワークショップを開催し成果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体計画と乱流計測シミュレータの解析の高速化に立脚し、具体的研究が進展した。個別の研究成果としても、非拡散型の輸送をもたらす乱流の研究や輸送界面探査法の提示等、多くの成果が上がり、実験への適用も開始されたため、おおむね順調に進展していると自己評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
非拡散型輸送現象の解析を進める。乱流計測シミュレータを用い、乱流の塊の間欠的移送に対し統計的解析を行い、ダイナミック輸送現象の実験観測への具体的応用を進める。輸送界面や速度空間構造と乱流輸送の相互作用の研究を進める。LHD, HL-2A, JFT-2M等の装置を用いた実験に適用を進める。国際共同活動の実施のために、揺動解析国際共同作業ワークショップを開催する。成果を3rd Asia Pacific Transport Working Group, H-mode workshopなどにおいて発表するとともに論文にまとめ出版する。
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Research Products
(11 results)