2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23245012
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北川 宏 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90234244)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 鉄兵 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10404071)
前里 光彦 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (60324604)
魚谷 信夫 京都大学, 学内共同利用施設等, その他 (90602417)
|
Project Period (FY) |
2011-05-31 – 2014-03-31
|
Keywords | プロトニクス / プロトン伝導 / 混合伝導体 |
Research Abstract |
我々は、水素結合部位として1,4-ジアンモニウムブタン(H2dab)を導入した配位高分子(H2dab)[Zn2(ox)3]·nH2O (Zn-dab) (ox = oxalate)の合成を行った。この配位子高分子は、ヒドロキシ基を有するゲスト分子(H2O, MeOH, EtOH)に対して、顕著な吸着選択性を示すことを見出した。また、X線構造解析の結果から、吸着時における水素結合の生成と骨格構造の変化が、吸着選択性に寄与していることが示唆された。そこで、構造変化の重要な因子であると考えられる中心金属イオンを置換した化合物を合成を行い、それらが吸着選択性に及ぼす影響について明らかにした。中心金属イオンを置換した(H2dab)[M2(ox)3]·nH2O (M-dab) (M = Fe, Co, Ni, Mg)を、Zn-dabと同様に、MOまたはM(CH3COO)2、H2ox·2H2O、および水を原料として水熱合成法により合成した。得られた試料を用いて、単結晶X線構造解析、粉末X線回折測定、および吸着等温線測定を行った。Fe-dab、Mg-dabについては単結晶が得られたため、単結晶X線構造解析を行った。その結果、Zn-dabとほぼ同一のシュウ酸架橋二次元構造であることが明らかとなり、Co-dab、Ni-dabについても、粉末X線回折測定の結果からZn-dabとほぼ同一の構造を有していることが示唆された。また、吸着等温線測定の結果から、Ni-dab、Co-dabはZn-dabと同様にH2O、MeOH、EtOHを吸着することも証明された。一方で、Mg-dab, Fe-dabはH2O、MeOHのみを吸着し、EtOHを吸着しないことがわかり、中心金属イオンの種類が吸着選択性に影響していることが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
数多くのプロトン伝導性錯体を開発し、吸着実験により、特異的な吸着機構の解明を行った。これらは、計画を前倒して行ったものである。
|
Strategy for Future Research Activity |
計画が予想以上に進んでいるので、予定していなかった内容も計画に取り込んで取り組む予定である。
|
Research Products
(10 results)