2012 Fiscal Year Annual Research Report
電子機能を有する液晶/分子集合ナノファイバー複合体の構築
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23245030
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 隆史 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70214377)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2015-03-31
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Keywords | 自己組織化 / 超分子化学 / 構造・機能材料 / ナノ材料 / 電子・電気材料 |
Research Abstract |
本研究では、液晶と分子集合ナノファイバーからなる液晶物理ゲルのユニークな自己組織化能を生かして高性能・高機能電荷輸送材料を構築することを目的とする。このために、電荷移動性の液晶および分子ファイバーの作製、およびそれらの構造制御方法について研究を進めた。電荷移動性のπ共役部位であるオリゴチオフェン骨格を有するポリカテナー型の液晶分子や、ペリレンビスイミド骨格を有する分子集合ナノファイバー形成分子を開発した。さらに、液晶および分子性ナノファイバーの構造制御方法として、強い双極子を示すスルホン基に着目し、ビスフェニルスルホン骨格の両端にエーテル結合を介してトリアルコキシフェニル部位を導入した分子を合成した。得られた分子は室温を含む温度範囲でヘキサゴナルカラムナー相を示した。これはビスフェニルスルホン骨格を有する初めての液晶分子である。特にアルコキシ鎖の炭素数が10の分子は、室温下、カラムナー相状態において交流電場を印加すると、電場方向とカラムの軸方向が平行になるように配向が変化した。またこれらのビスフェニルスルホン誘導体は溶媒に対するゲル化能を示した。ゲルにおいては分子性ナノファイバーが形成されていた。スルホン部位の強い双極子相互作用が、カラムナー相や分子ファイバーにおける1次元分子集合体形成の駆動力になっていると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
電荷移動性を示す液晶分子やナノファイバー形成分子を開発し、さらに液晶の配向制御における重要な知見が得られるなど、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
電荷移動性液晶と電荷移動性ナノファイバーとの複合化を行い、高速電荷輸送を達成する。さらにファイバーおよび液晶の配向制御を行い、基板と液晶および分子ファイバーの界面における電気抵抗を低減させ、効率的に機能する材料を開発する。
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