2012 Fiscal Year Annual Research Report
超高速固体NMRプローブと超高磁場NMRによる繊維・高分子の分子間構造解析
Project/Area Number |
23245045
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
朝倉 哲郎 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30139208)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 高分子構造・物性 / 固体NMR / 絹 |
Research Abstract |
研究代表者らが開発に成功してきた超高速(70KHz)で回転する固体NMRマイクロプローブを岡崎の分子研の920MHz超高磁場NMR装置に組み込んで1H固体NMRを測定、従来十分に分子間構造の研究に用いられて来なかった1H固体NMRを、分子間構造を解明するための新たな手段として使用できるように開発を進めた。 さらに、その解析法を絹結晶部モデル化合物の構造決定に適用した。 1.逆平行βシート構造を有するアラニン3量体と4量体について、1H DQMASNMRスペクトル等を測定し、化学シフトを決定した。一方、これらのペプチドについて、X線構造解析からの原子座標のデータを基に、CASTEP法を用いて1H.13C,15N化学シフトを計算、良く一致することを確かめた。それによって、本固体NMR測定法の妥当性を検証するとともに、分子間構造情報が的確に得られることを確認した。 2.本解析法を、1Hの原子座標がこれまで正確に決定されていなかった家蚕絹結晶部モデル化合物(Ala-Gly)nの繊維化前の構造決定に適用した。これまで当研究室で報告してきた繰り返しβターン構造の骨格鎖の座標が正確であることを確認するとともに、その1Hの原子座標を厳密に決定することができた。 3.この新しい構造決定法の利点と将来性について、NMRの国際的専門誌にreviewとして記載し、その有用性をまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
つくば強磁場共用ステーションに設置されている930MHzNMR装置は依然としてクエンチした状況であり、本研究を遂行するために利用することはできなかった。かわりに、岡崎の分子研の920MHz超高磁場NMR装置をお借りし、便宜を図っていただいた。そのおかげで、実質的に問題なく本研究を進めることができた。その結果、当初の実験計画に沿って、順調に研究を進め、研究成果をあげることができた。特に、本研究成果は、分子研での最も優れた成果に選出され、2013年10月、文部科学省ナノテクノロジープラットフォーム成果報告会で発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も引き続き、岡崎の分子研で超高磁場NMR装置を用いて本研究を推進する予定である。実験データの取得とともに、青木博士を中心とする分子間構造解明のための構造計算、分子動力学計算ならびに京都大学の梶教授と行っているCASTEP化学シフト計算は、これまで通り進める。研究を進める上での問題点は特になく、本研究手法をより多くの系に適用する予定である。
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Research Products
(132 results)
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[Journal Article] Silk fibroin-based scaffolds for bone regeneration2013
Author(s)
Kuboyama, N., Kiba, H., Arai, K., Uchida, R., Tanimoto, Y., Ujjal K. Bhawal, Abiko, Y., Miyamoto, S., David Knight, Asakura, T, Nishiyama, N.
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Journal Title
Journal of Biomedical Materials Research Part B-Applied Biomaterials
Volume: 101
Pages: 295-302
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Synthesis and Characterization of Water-Soluble Silk Peptides and Recombinant Silk Protein Containing Polyalanine, the Integrin Binding Site, and Two Glutamic Acids at Each Terminal Site as a Possible Candidate for Use in Bone Repair Materials2013
Author(s)
Asakura, T., Suzuki, Y., Nagano, A., Knight, D.P., Kamiya, M., Demura, M.
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Journal Title
Biomacromolecules
Volume: 14
Pages: 3731-3741
DOI
Peer Reviewed
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