2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23245046
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
渡邉 正義 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (60158657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
獨古 薫 横浜国立大学, 工学研究院, 准教授 (70438117)
小久保 尚 横浜国立大学, 工学研究院, 特別研究教員 (80397091)
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Keywords | ゲル / イオン液体 / コロイド / 微粒子 / スマートマテリアル |
Research Abstract |
高分子、コロイドなどからなるソフトマテリアルは、その構成成分のほとんどが液体である場合が多い。このことが物質内の大きな内部自由度を生み、外部刺激の微細な変化に応答して的確に機能するスマートマテリアルとしての期待も大きい。これまでこの液体(分散媒)としては水や有機溶媒のような分子性液体が用いられてきた。そのために、ソフトマテリアルは液体と共存下かつ溶媒の揮発が顕著とならない温度域がその使用・利用条件の常識であった。本研究では、不揮発性で熱安定性も高いイオン液体という水、有機溶媒に続く第三の液体を用いたソフトマテリアルの創成を図る。イオン液体を分散媒に用い、高分子およびコロイドを分散質とするソフトマテリアルの生成、構造、機能を精査することが本研究の目的である。 本年度は、イオン液体を用いた新しいソフトマテリアルを創成するために、高分子-イオン液体系、コロイド-イオン液体系の研究を並行して行った。高分子系では、イオン液体中への高分子の溶解性を支配するパラメータの整理を行い、相溶系で複合膜を形成する系を多く提示した。相分離型の高分子では、イオンゲルとしたときの体積相転移挙動、ブロック共重合体としたときの刺激応答性自己組織体形成を、イオン液体の構造形成溶媒和の役割も含め精査した。コロイド系は、SiO_2微粒子をモデルとして、イオン液体中で粒子間に働く引力/斥力の起源を明らかにして行った。引力が働く系ではコロイドゲルを、斥力が働く系ではコロイドガラスを形成させ、新しいソフトマテリアルとして提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究計画の予想が的中し、有用な実験結果が多く得られた。イオン液体中への高分子の溶解性に関しては、日本化学会欧文誌に総合論文(Accounts)を、イオン液体中でのコロイドの安定性に関してはアメリカ化学会、Langmuir誌に招待注目論文(Invited Feature Article)を掲載することができた。両論文とも表紙を飾るCover Articleに選ばれた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もイオン液体を用いたソフトマテリアル創成のための基礎研究の積み重ねを行う。さらに研究後半に向けて有用なソフトマテリアルを提案して行く。
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Research Products
(98 results)