2014 Fiscal Year Annual Research Report
高分解光学観察による氷結晶表面での疑似液体層の動的挙動の解明
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23246001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐崎 元 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (60261509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 義純 北海道大学, 低温科学研究所, その他 (20113623)
長嶋 剣 北海道大学, 低温科学研究所, 助教 (60436079)
村田 憲一郎 北海道大学, 低温科学研究所, 助教 (60646272)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 氷 / 表面融解 / 疑似液体層 / 単位ステップ / 高分解光学顕微法 / ラマン分光法 / 原子間力顕微法 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,麻川明俊博士を博士研究員として雇用し,研究分担者と協力して,下記の2点を明らかにした. 1)プリズム面および高指数面における表面融解 氷結晶のベーサル面上で,形状が異なる2種類の擬似液体層が生成することをこれまで明らかにして来たが,氷結晶のもう1つの重要なファセット面である「プリズム面」がどのように表面融解するかについては観察実験が困難であった.その原因は,プリズム面は-4~-2℃でラフニング転移を起こすため,高指数面が現れ,結晶が丸みを帯びてしまうことにあった.そこで我々は,プリズム面を融点直下の温度に急速に昇温し,ラフニングしている最中のプリズム面と高指数面を,結晶が丸みを帯びる前に光学観察することに挑戦した.その結果,温度を上昇させると,約-1.4~-0.5℃よりも高い温度では,丸い液滴状の擬似液体層(α相)が生成すること,および約-0.8~-0.3℃よりも高い温度では,薄い層状の擬似液体層(β相)が生成することを見出した.プリズム面および高指数面上においても,ベーサル面と同様に2種類の擬似液体相がほぼ同じ温度領域で生成するという結果は,氷の表面融解において,2種類の擬似液体層の生成が面指数によらず本質的な役割を果たしていることを強く示唆する. 2)表面拡散距離の温度依存性 気相から成長する氷(雪)の形は,温度低下とともに,板状→柱状→板状→柱状と変化することはよく知られているが,その原因は不明であった.そこでその機構を明らかにするべく,様々な温度下で,ステップ前進速度のステップ間隔依存性を直接計測し,水蒸気分子の氷結晶表面上での「拡散距離」を決定した.その結果,拡散距離は温度の低下とともに複雑な挙動を示すことがわかった.この結果は,例えば,温度に応じて氷結晶の「表面構造」が変化すると考えると説明することができる.今後,原子間力顕微鏡などを用いて,実証したい.
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(18 results)