2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23246003
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹田 美和 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20111932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田渕 雅夫 名古屋大学, シンクロトロン光研究センター, 特任教授 (90222124)
宇治原 徹 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60312641)
渕 真悟 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60432241)
金 秀光 名古屋大学, 高等研究院, 特任助教 (20594055)
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Keywords | 結晶成長 / スピントロニクス / 表面・界面物性 / 量子エレクトロニクス / 量子ビーム |
Research Abstract |
超格子層に引張り歪みを導入するため、GaAs 500nmを中間層として導入してきた。これが高いスピン偏極度を保ったまま超高輝度を実現した鍵である。しかし、GaAsは励起光(1.55eV)を吸収し、1/2に減衰する。引張り歪みを導入するためにはGaAsでなくてもAl_<0.4>Ga_<0.6>ASに置き変えることで可能な筈である。従って、まずはここでの無駄な減衰を抑えるために、Al_<0.4>Ga_<0.6>ASを中間層とするフォトカソードを作製する。更に、励起光入射側のGaP基板での反射を防ぐため、反射防止膜を付ける。これらの改良により、超格子層に到達する励起光強度を3倍以上にできる筈である。これを実際に作製し、確認する。 次いで、透明基板への貼り合わせフォトカソードの基本となる、GaAs基板に格子整合した歪み補償型超格子を作製する。伝導帯ミニバンドが高いエネルギー位置にあるGaInP/AlInP系を選ぶ。この超格子の作製条件を確立し、表面照射型での特性評価を行い、事年度以降の貼り合わせ法に対する準備とする。 平成23年度は、まず、超格子層の組成と厚さの制御精度を1桁上げるため、成長装置の改造を行う。超高輝度・高スピン偏極度を実現している装置においてである。III族の原料供給精度が決定的であるため、超音波方式の流量計を併設する。III-V族化合物半導体の世界では、原子1層を制御して成長するのが普通になりつつある。15年前のコンセプトで旧式に属する本装置の制御精度を一新する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
(1)中間層をGaAsからAlGaAsに置き換え、かつ、GaP基抜裏面に反射防止膜を設け、量子効率を4倍に向上させた(当初目標は3倍)。(2)透明基板への張り合わせを提案したが、より現実的で欠陥密度を低減できるZnSe基板上への歪み補償型超格子構造を提案し、その成長条件を見出しつつある。(3)III族原料の流量制御装置3系統を高精度なものに置き換えた。現在、その精度を確認中である。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)中間層をAlGaAsから更にAlGaAsPに置き換えることで、GaAs/GaAsP超格子層を歪み補償型とすることが出来る。そのため、従来12ペアーで構成していた光吸収部を24ペアー、36ペアーへと増やすことができ、量子効率の更なる向上を目指す。(2)透明基板への張り合わせ方はプロセスが困難なため、より現実的で欠陥密度を低減できるZnSe基板上への歪み補償型超格子構造を提案した。今後、これによる全層が格子整合型のフォトカソードを構成する。(3)III族原料の流量制御装置3系統を高精度なものに置き換え、超格子の組成と層厚を再現性の高いものとする。
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Research Products
(14 results)