2011 Fiscal Year Annual Research Report
巨大クラスターイオンによる機能性有機材料評価技術の研究
Project/Area Number |
23246012
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松尾 二郎 京都大学, 工学研究科, 准教授 (40263123)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 学聡 京都大学, 工学研究科, 講師 (90402974)
瀬木 利夫 京都大学, 工学研究科, 講師 (00402975)
|
Keywords | イオン / 分析 / 二次イオン / クラスターイオン |
Research Abstract |
プロトン脱離や付加など複雑な脱離機構を有する有機分子を高感度に検出するためには、入射するイオン種やエネルギーを最適化することが必要である。本年度は、広いエネルギー範囲で様々な有機分子の2次イオン収量測定を行い、有機分子の2次イオン放出機構を試みた。さらに、無機材料、特にシリコンからの2次イオン放出についても詳細な検討を行った。 スピンコート法、ディッピング法や真空蒸着法などで作成した種々の有機材料をターゲットとした。また、生体試料として培養細胞を用いたが、培養基板そのものは、試料の厚みや分子分布が極めて不均一であり標準試料としては適していない。このため、培養した細胞を基板から剥離し遊離細胞とし、混合攪拌した細胞ペーストを標準試料として用いた。細胞ペーストは、粘度が高くスピンコートできないため均一な膜厚を得るために、キャスト後に一定高さに引き伸ばす手法を開発した。 また、細胞ペーストは"生もの"であるため乾燥後にデシケーターの中で保管してもSIMSスペクトルが変わってしまうほど劣化してしまい、保存が効かないという課題がある。ディープフリーザーで保管することにより劣化を防ぐとともに、解凍時に吸着してしまう水分を抑えるため、塗布後の試料基板を窒素封入しジップロックに入れることとした。数週間保存後に解凍しSIMS測定したところ全く劣化がなく、生体試料の標準試料として十分であることが判った。 これらの試料に、入射エネルギーやイオン種を系統的に変化させ、正負の2次イオンスペクトルを測定し、フラグメントイオン低減とイオン収量を向上させるために必要な入射条件の検討を行った。さらに、簡単なPCA法(Principle Component Analysis)によるデータ解析も行い、基本的な動作を確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生体試料の標準サンプル作成法が確立されておらず、位置からの開発になったが、当初予定していたクラスターサイズ依存性について測定することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
体系的なデーターを得るためには、多くの生体高分子の測定を行う必要があるが、装置開発と同時並行にすすめるのは困難が伴うと予想される。
|
Research Products
(50 results)