2011 Fiscal Year Annual Research Report
高速顕微スピンナノスコープを用いた顕微磁性ダイナミックス
Project/Area Number |
23246015
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
越川 孝範 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (60098085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安江 常夫 大阪電気通信大学, 情報通信工学部, 教授 (00212275)
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Keywords | 電子顕微鏡 / 表面・界面物性 / 超薄膜 / 磁性 |
Research Abstract |
本研究は、「高輝度・高偏極・長寿命という特性を持つスピン偏極低エネルギー電子顕微鏡(SPLEEM)」をベースにして数10μ秒オーダの高速測定可能な新しい電子顕微鏡「高速顕微スピンナノスコープ」を製作し、スピントロニクスを用いたメモリ開発等に必要な磁性の顕微ダイナミックスを明らかにすることを目的としている。まず高周波パルス(5MHz)の印加が可能なマニピュレータを設計・製作した。試料自身が高電圧(20 kV)に浮いているため充分な絶縁をするとともに高周波対応を行った。また、顕微鏡のマニピュレータとして試料のX、Y、Z方向の移動ならびに傾斜機構を同時に付加した仕様となっている。これと並行して、垂直磁化を有するCoNi磁性薄膜形成過程に関する基礎的な実験も行った。ここでは高輝度・高スピン偏極低エネルギー電子顕微鏡を用いて、磁区構造形成の動的な観察を行った。非磁性キャップ層により垂直磁気異方性が発現することが知られているが、基板依存性があることが明らかとなった。W(110)基板上では、CoNi_2に1MLのAuを蒸着することにより、強い垂直磁気異方性が発現したが、W(110)の上にAu/Cu層を形成してW(110)基板の影響を小さくしたときには、Auキャップ層による垂直磁気異方性は発現しなかった。以上のように垂直磁気異方性を持たせるためにはキャップ層と基板との組み合わせが重要であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度であるので、研究を推進するのに必要な試料マニピュレータの設計・製作と垂直磁化を持つ磁性薄膜形成に向けた基礎的な実験を行い、ほぼ当初の当該年度の目的を達成できたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点では研究計画を変更することなく、当初の研究計画にしたがって研究を推進していく予定である。次年度には試料ホルダーの設計・製作を行う必要があるが、これが技術的に最も難しいものであると考えている。しかし、これまでに多くの実験装置などを設計・製作してきた実績をベースにして、解決できると考えている。
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[Journal Article] Status of the High Brightness Polarized Electron Source Using Transmission Photocathode2011
Author(s)
N.Yamamoto, X.G.Jin, A.Mano, T.Ujihara, Y.Takeda, S.Okumi, T.Nakanishi, T.Yasue, T.Koshikawa, T.Ohshima, T.Saka and H.Horinaka
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Journal Title
J. Phys. : Conf. Ser.
Volume: 298
Pages: 012017-1-6
DOI
Peer Reviewed
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