2011 Fiscal Year Annual Research Report
原子論に基づく材料の有限温度長時間変形の理論体系の創出
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23246025
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
尾方 成信 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (20273584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
君塚 肇 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (60467511)
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Keywords | 塑性変形 / 原子論 / 有限温度 / 長時間 / クリープ / 転位 / 拡散 / 粒界 |
Research Abstract |
以下の(A)および(B)について研究を実施した。 (A)クリープ変形理論の原子論からの再構築。 様々な粒径をもつナノ多結晶材料を原子レベルでモデリングし、これに対して分子動力学計算を適用し、比較的高温において、温度と負荷応力を変化させながらクリープ変形試験を実施した。その結果、1)負荷応力が増加するにしたがって、変形のメカニズムが粒界拡散、粒界移動、転位運動と変遷していくこと、2)分子動力学計算の結果を応力依存性の観点から整理した結果、過去の実験結果をよく説明できること、3)結晶粒が小さくなると転位による変形は粒界からの転位生成によるものが支配的になること、4)結晶粒径がナノスケールになるとクリープ速度が明らかな粒径依存性を示すようになることを明らかにした。そして、得られた知見に基づき、粒界拡散,粒界移動,転位生成の熱活性化過程をそれぞれ独立に定式化し,これらを線形に重ね合わせて、実際の分子動力学計算で得られた印加応力とひずみ速度の関係とを比較したところ、両者が良く一致することがわかり、3つのメカニズムの線形重ね合わせで、さまざまな温度域や応力条件下でのクリープ現象を説明できることを示し、原子論に立脚したクリープ構成式の構築の可能性を示した。 (B)塑性変形理論の原子論からの再確認。 室温での(i)転位移動、(ii))転位と不純物および析出物との相互作用、(iii)転位と粒界との相互作用を、分子動力学解析および原子レベル時間加速解析を用いて実施し、従来の転位論や塑性変形理論と比較することで、従来理論で表現できる部分と原子論でなくては表現できない部分を明確し、有限温度での多結晶体の変形の塑性変形理論の有効性を原子論から検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要にも述べたとおり、ほぼ当初立てた研究計画どおりに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在まで順調に研究が進んでおり、今後は、まず、研究課題の申請当初に設定した、クリープ変形理論と塑性変形理論の材料スケール依存性に対する理論展開を推進していく予定である。
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