2011 Fiscal Year Annual Research Report
自己集束を利用した光吸収性媒質の超短パルスレーザによる内部加工と加工現象の解析
Project/Area Number |
23246029
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大村 悦二 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90144435)
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Keywords | 超短パルスレーザ / 光吸収性媒質 / 内部加工 / 非線形光学 / 自己集束 |
Research Abstract |
超短パルスレーザを透過性媒質に集光照射すると,光強度に依存して屈折率が変化し,自己集束する.光吸収性媒質中では,非線形吸収された光エネルギーがパルス終了後に熱に変わり,媒質内部に溶融あるいは局所アブレーション現象が生じる.本研究は,光吸収性カー媒質中の近軸波動方程式を数値的に解いて,超短パルスレーザ照射による媒質中の光強度と吸収エネルギーを求め,熱伝導解析を行うとともに,その結果を用いて熱応力解析や亀裂進展解析を行う一連の解析システムを構築する.一方で,超短パルスレーザを用いて非線形吸収係数を測定するとともに、超短パルスレーザ精密微細加工装置を用いて透過性の誘電体や半導体などの内部改質,溶接などの精密微細内部加工を行う.そして,上記解析システムを用いて加工メカニズムの解明,加工品質に関わるパラメータの究明と制御について,学術的な立場から検討することを目的としている.本年度は,超短パルスレーザと超短パルスレーザ精密微細加工装置を新規に購入し,年度末に設置・調製を終えた.一方で,光吸収性カー媒質中の近軸波動方程式を数値的に解いて,超短パルスレーザ照射による媒質中の光強度と吸収エネルギーを求め,熱伝導解析を行った.具体的な数値計算としては,溶融石英を対象としたKudriasovらの実験を参考にして自己集束現象を解析した.非線形吸収係数が不明なため,さまざまな値を用いて強度分布を計算した結果,非線形吸収係数2×10^<-8>μm/wのときの最小スポット深さがKudriasovらの測定結果とよく一致した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
交付内定が出たのが11月下旬であったので,実験面では環境整備を行うにとどまり(設置完了は年度末),具体的な実験成果を出すには至らなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
光吸収性カー媒質中の近軸波動方程式を数値的に解いて,超短パルスレーザ照射による媒質中の光強度と吸収エネルギーを求め,熱伝導解析を行うとともに,その結果を用いて熱応力解析や亀裂進展解析を行う一連の解析システムを構築する.一方で,超短パルスレーザを用いて非線形吸収係数を測定するとともに、超短パルスレーザ精密微細加工装置を用いて透過性の誘電体や半導体などの内部改質,溶接などの精密微細内部加工を行う.そして,上記解析システムを用いて加工メカニズムの解明,加工品質に関わるパラメータの究明と制御について,学術的な立場から検討する.
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