2012 Fiscal Year Annual Research Report
自己集束を利用した光吸収性媒質の超短パルスレーザによる内部加工と加工現象の解析
Project/Area Number |
23246029
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大村 悦二 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90144435)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2014-03-31
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Keywords | 超短パルスレーザ / 光吸収性媒質 / 内部加工 / 非線形光学 / 自己集束 |
Research Abstract |
超短パルスレーザを透過性媒質に集光照射すると,光強度に依存して屈折率が変化し,自己集束する.光吸収性媒質中では,非線形吸収された光エネルギーがパルス終了後に熱に変わり,媒質内部に溶融あるいは局所アブレーション現象が生じる.本研究は,光吸収性カー媒質中の近軸波動方程式を数値的に解いて,超短パルスレーザ照射による媒質中の光強度と吸収エネルギーを求め,熱伝導解析を行うとともに,その結果を用いて熱応力解析や亀裂進展解析を行う一連の解析システムを構築する.一方で,超短パルスレーザを用いて非線形吸収係数を測定するとともに、超短パルスレーザ精密微細加工装置を用いて透過性の誘電体や半導体などの内部改質,溶接などの精密微細内部加工を行う.そして,上記解析システムを用いて加工メカニズムの解明,加工品質に関わるパラメータの究明と制御について,学術的な立場から検討することを目的としている.本年度は,昨年度末に購入した超短パルスレーザと超短パルスレーザ精密微細加工装置を用いて,ガラスの内部加工実験を行った.加工した試料の断面観察を行うとともに,熱伝導解析を行って,加工メカニズムの解明を行った.その結果,繰り返し照射による蓄熱効果が大きいことが判明した.ガラスの重ね溶接実験も行い,適切な照射条件で接合が可能であることを確認した.一方で,理論面では,吸収性カー媒質中の超短パルスレーザの伝播,自己集束,非線形光吸収の光学的解析と熱伝導解析,その結果に基づく熱応力解析や亀裂進展解析を行う一連の解析システムを構築しつつある.本年度は,光吸収性媒質中における超短パルスレーザの自己集束現象と温度場の解析を1パルス照射する場合について行った.実験結果と比較検討した結果,上述のように,繰り返し照射による蓄熱効果が大きいことが判明.これも考慮に入れてさらにアップグレードする必要のあることが次年度の課題として残った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度末に購入した超短パルスレーザと超短パルスレーザ精密微細加工装置を用いて内部加工実験を行い,実現可能性を確信できた.一方で,繰り返し照射の影響が大きいことも判明して,新たな研究課題が明確になった.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度明らかになった繰り返し照射の影響を考慮することが本年度の主要研究課題である.そのため,光吸収性カー媒質中の近軸波動方程式を数値的に解いて,超短パルスレーザ照射による媒質中の光強度と吸収エネルギーを求め,熱伝導解析を行うとともに,その結果を用いて熱応力解析や亀裂進展解析を行う一連の解析システムをバージョンアップする.一方で,超短パルスレーザを用いて非線形吸収係数を測定する光学系を新たに設計・購入し,解析システムの妥当性,有用性を検証する.さらに,超短パルスレーザ精密微細加工装置を用いて内部改質,溶接などの精密微細内部加工を引き続き行う.加工メカニズムの解明,加工品質に関わるパラメータの究明と制御について,学術的な立場から検討する.
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Research Products
(9 results)