2011 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ放電によるプラズマ内包気泡流動システムの超機能化と革新的応用展開
Project/Area Number |
23246032
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西山 秀哉 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (20156128)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 康規 金沢大学, 電子情報学系, 教授 (90303263)
高奈 秀匡 東北大学, 流体科学研究所, 講師 (40375118)
|
Keywords | 機能性流体 / パルス放電 / 放電気泡 / 気泡ジェット / 高活性化 / ラジカル / 難分解性有機物分解 / 水質浄化 |
Research Abstract |
本研究では、マイクロ放電を活用したプラズマ内包気泡流動システムを試作し、放電気泡ジェットのダイナミクス、処理液の物性値変化、放電気泡で生成されるラジカルの同定および液中有機物分解特性についてのマルチスケール相関を実験的に明らかにした。得られた結果を要約すると、以下になる。 (1)6kV、1,000Hzのパルス放電により、液中に噴出する気泡ジェット中にストリーマを発生させ、気泡内気体よりプラズマを生成し、高活性化機能を付与したプラズマ内包気泡流動システムを開発した。 (2)高速度可視化により、数ミリ径の気泡内界面に沿ったストリーマの伝播や界面への衝突による気泡界面の変形および崩壊現象、さらには、周期的な気泡断面積変化を明らかにした。また、PIV解析により気泡崩壊時に放出されるマイクロバブルの形状と数十μs程度の気泡径分布、さらには、数百mm/s程度の気泡放出速度も明らかにした。 (3)アルゴン、酸素および空気を内包した放電発光気泡から液中に発生する酸化力の強い酸素ラジカルや水酸基ラジカルを分光法により同定し、また、オゾンの生成も確認した。 (4)アルゴン、酸素および空気を内包したプラズマ内包気泡ジェットに関して、放出後の処理液の溶存オゾン、過酸化水素水および活性酸素種、導電率、pHの相対的変化を明らかにした。 (5)難分解性有機物として、メチレンブルーの脱色性能に関して、気泡に内包するガス種や旋回流の有無、また、印加電圧の極性による影響を実験的に明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
微小気泡内で省エネルギーストリーマ放電を伴うプラズマ内包気泡流動システムの開発に成功し、液中ラジカル生成による化学分解性の新たな機能性の付与の検証と機能性発現機構を解明したので。
|
Strategy for Future Research Activity |
本流動システムの単位エネルギーあたり水質浄化効率や輸送効率の評価にあたり、実験と計算の統合解析により流動システム形状や作動条件の最適化、さらには、適用限界を明らかにしたい。また、気泡を自動的に生成・消滅する部分をシステムに付加し、さらに省エネルギー化を目指す予定である。
|