2011 Fiscal Year Annual Research Report
革新的火炎クロマトグラフィと微量化学種吸収分光による分子レベル燃焼反応制御
Project/Area Number |
23246035
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
丸田 薫 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (50260451)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 寿 東北大学, 流体科学研究所, 助教 (40444020)
|
Keywords | 代替燃料 / 燃焼 / 化学反応 |
Research Abstract |
温度分布制御マイクロフローリアクタにおいて,分光計測による化学種・ラジカル計測を導入することを目指して研究を進めている.これによりバイオ燃料や合成燃料を多用する燃料多様化時代に対応する,圧力・温度域毎の高精度実験により検証された,高精度な詳細化学反応機構の構築および素反応レベルでの燃焼反応制御の基礎学理構築を目的としている. 初年度である平成23年度は,実用燃料における標準燃料(n-ヘプタン,イソオクタン,トルエン,n-デカン,イソセタン,n-セタン)を用いた反応帯分離実験と,それぞれの燃料に対応する数値計算を中心に実施した.その結果,分離された反応帯のようすにより,従来より明らかだったオクタン価を表現することが可能なことに加えて,トルエンのオクタン価向上効果を分離反応帯の変化という形で可視化することができた.またオクタン価同様にセタン価についても分離された反応帯のようすに基づいて議論できることが明らかとなった.これらの結果については,ガス成分分析を実施し,一定の精度で数値計算との一致が見られることなどを明らかにした.なお分光計測装置の構築については,実験室建屋全体の耐震工事のため,波長可変光源の導入を完了した段階にとどまっている.昇圧実験については,比較的低圧の条件(4atm程度)までは基礎データの取得が可能な水準まで装置の性能向上を達成した. リアクタ内の分離した反応帯を対象にした吸収分光については,まず24年度はじめの実験室建屋耐震工事が完成次第,低温酸化反応進行の指標となるCH20を対象とした光学計測装置の構築を行う予定である.これまでに,計算負荷の大きい大規模高級炭化水素,イソオクタン(857化学種,3606反応式)やディーゼル燃料・ジェット燃料を想定したn-セタン,i-セタンの素反応数値計算を実施し,基本解が得られる水準を達成している.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
リアクターの実験や数値計算に関しては予定よりも順調に進んでいるが,分光計測装置の構築についてはやや遅れている。その理由は,本研究室の実験室が入る予定の建屋全体が平成23年9月より耐震工事を開始し,スペースが確保できないためであり,本年度は装置を購入して仮置きするにとどまった.建屋の工事が終了して実験室が準備でき次第,波長可変光源を設置して各種光学系を構築する.
|
Strategy for Future Research Activity |
耐震工事の遅れによる実験スペースの確保以外には問題無いので,工事完成予定の6月下旬を目処に光学計測の準備を開始し,年度計画通りに研究を進捗する予定である.
|