2011 Fiscal Year Annual Research Report
熱流動非線形ラマン散乱イメージング法構築による異相界面分子吸着現象の非侵襲解明
Project/Area Number |
23246037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐藤 洋平 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00344127)
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Keywords | 非線形ラマン散乱 / 熱流動非侵襲センシング / 自発ラマン散乱 / 誘導ラマン散乱 / ラマンイメージング / 熱流動多変量分布 / 校正曲線 / エバネッセント波 |
Research Abstract |
熱流動異相界面における分子吸着や反応・分離を支配するイオン層電位形成メカニズムの解明を目的とした、非線形ラマン散乱イメージング法を4ヶ年の渡り開発を行う。本年度の研究成果を下記に述べる。 (1)単一フィルタを用いた自発ラマンイメージングによるチャネル内電解質溶液の速度・濃度二次元分布非侵襲同時センシング法の開発 電解質溶液中イオン群濃度変化に応じて自発ラマン散乱光強度変化が著しいラマンシフト(波長)をマン分光法により特定し、その波長域に合致したバンドパスフィルタをEM-CCDカメラに装着することにより、自発ラマンイメージング法を開発した。イオン群濃度・ラマン散乱光強度校正曲線の取得を行い、チャネル内を流れるイオン群からの瞬時ラマン散乱光二次元分布を校正曲線を用いてイオン群濃度二次元分布に変化し、更に濃度ピーク値移動量をカメラフレームレートで除すことによりイオン群速度を求めた。 (2)複数フィルタを用いた自発ラマンイメージングによるチャネル流の温度二次元分布非侵襲センシング法の開発 水の温度変化に応じてラマン散乱光強度変化が著しいラマンシフト(波長)が2つ存在していることから、2種類のフィルタをEM-CCDカメラに装着することにより、自発ラマンイメージング法を開発した。チャネル内温度勾配の定量的可視化に成功し、温度分解能3.7Kを実現した。 (3)コヒーレント・アンチストークスラマン散乱(CARS)光によるチャネル内電解質溶液濃度非侵襲センシング法の開発 チャネル内イオン群からのラマン散乱光を増大したCARS光を用いて、イオン群濃度変化に応じてCARS光強度変化を定量的に示す校正曲線の取得に成功した。濃度分解能4.3%を達成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非線形ラマン散乱の一種であるコヒーレント・アンチストークスラマン散乱(CARS)光を用いて電解質溶液中イオン群濃度の非侵襲センシングに世界に先駆けて成功し、濃度・散乱光強度校正曲線の取得が可能となった。 更に2種類のフィルタを用いる自発ラマンイメージング法を確立し、電解質溶液温度二次元分布非侵襲センシングを世界に先駆けて提案した。
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Strategy for Future Research Activity |
熱流動異相界面における分子吸着や反応・分離を支配するイオン層電位形成メカニズムの解明を目指して、固体・液体および液体・液体界面へのエバネッセント波照射による自発ラマン散乱および非線形ラマン散乱に基づくラマンイメージング法の開発を行う。異相界面におけるイオン群挙動を支配する多変量時空間分布の非侵襲センシングを実現し、マイクロチャネル内熱流動のバルク時空間スケールとイオン層電位形成に関する時空間スケールとの物理的関係を明らかにし、分子吸着現象を支配する時空間スケールを特定し、熱流体力学観点からメカニズムの解明を行う。
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Research Products
(10 results)