2012 Fiscal Year Annual Research Report
ナノサージェリシステム構築を基盤とした高速バイオセンシング技術の開発
Project/Area Number |
23246044
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
福田 敏男 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70156785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 正博 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80377837)
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Project Period (FY) |
2011-05-31 – 2014-03-31
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Keywords | ナノサージェリ / ナノデバイス / ナノマニピュレーション / ハイブリッド顕微鏡 / バイオセンシング |
Research Abstract |
現在,生物を利用して安心・安全・高感度に環境物質を解析し,同時に生物への影響を解析するバイオセンシング技術が注目を集めている.本研究では,生物がセンシングした神経情報を生きた生物内でリアルタイムに直接計測する新しい手法を提案し,高速バイオセンシング技術を開拓する.特に原生動物を用い,その神経活動をこれまで構築した単一細胞局所計測用ナノデバイスを発展させ,直接的なセンシングを実現する. このため,環境制御型電子顕微鏡に光学顕微鏡を組み込んだハイブリッド顕微鏡下のナノバイオ・マニピュレーションシステムに基盤として,3次元・実時間環境下で生物にナノセンサプローブを埋め込むためのナノサージェリシステムを構築する.実際に原生動物へ応用することで,環境物質の解析を高速・高感度(数分以内での検出)に検出する.これにより従来技術に比べ1,000倍以上の高速・高感度なバイオセンシング技術を開拓する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで構築してきた,環境制御型電子顕微鏡に光学顕微鏡を組み込んだハイブリッド顕微鏡を用いて,原生生物の生死判別評価を実験的に検証した.収束イオンビーム加工を用いて,ナノスケールのプローブ型デバイスを作製した.原生生物である線虫の神経細胞に蛍光タンパク質を発現した線虫を用いて,蛍光タンパク質の分布を光学顕微鏡画像により取得することにより,生死判別実験を行った.また,試料室への導入,電子線照射などの影響に対する線虫の運動状態への影響を調査することにより,線虫へのダメージ・生存率への影響を調査した. また,原生生物に対して,毒素(重金属,アクリルアミド)や酸素濃度などの環境条件に対する応答についての基礎実験環境を構築した.マイクロ流体チップを用いて,線虫の成長速度を静電容量変化から検出可能なマイクロチップデバイスを構築した.また,カドミウムなどの重金属環境下における成長速度をセンシングするための基礎実験を実施した.
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Strategy for Future Research Activity |
これまで構築してきたナノマニピュレーションシステムを用いて,原生生物の神経活動を捉えるための,ナノ電極型プローブを作製し,神経細胞の活性を直接的に計測する. また,原生生物に対して,毒素(重金属,アクリルアミド)や酸素濃度などの環境条件に対する応答についてのポータブルかつ簡便にセンシングが可能なデバイスを構築する.
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