2012 Fiscal Year Annual Research Report
スマート変調制御高熱流メゾプラズマシステム開発による革新的高効率ナノ材料生成
Project/Area Number |
23246050
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
田中 康規 金沢大学, 電子情報学系, 教授 (90303263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上杉 喜彦 金沢大学, 電子情報学系, 教授 (90213339)
石島 達夫 金沢大学, サステナブルエネルギー研究センター, 准教授 (00324450)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ナノ粒子 / 熱プラズマ / メゾプラズマ / 変調制御 / インバータ電源 |
Research Abstract |
本研究においては,スマート変調型誘導プラズマSMC-MPを用いて機能性ナノ粒子の生成を行い,ナノ粒子の生成プロセス制御を高次に行い,高効率化を行うことである。 1.変調型誘導熱プラズマSMC-MPによるナノ粒子生成試験 変調波形は矩形波に限り,プラズマの変調条件Duty比, 変調率SCLをそれぞれ変更して,原料を変調投入したAr-O2 SMC-MPによるTiO2ナノ粒子の生成を試みた。生成したナノ粒子は,SEM, XRD, BET(分析依頼)により粒径分布,表面組成を分析した。これらの実験から,変調率SCL,Duty比を変更することで,さらには原料を間歇的に投入することで,ナノ粒子の平均粒径を制御できることを明らかにできた。さらに原料を間歇的に行うことでナノ粒子生成収率も増加できることも判明した。 2.Ar-O2-Ti 混合SMC-MPにおけるTiOスペクトル観測 Ar-O2プラズマに原料Ti粉末を投入するとTiが蒸発し,酸素と結合してTiO2の前駆体TiOを気相で生じる。これを分光器によりスペクトル観測を行った。変調の各時刻においてスペクトルを測定した結果,TiOの生成タイミング・生成場所を把握できた。 3.気相TiOスペクトルの総合放射係数の理論計算 TiOスペクトルを理論的に振動温度,回転温度の関数として計算した。NISTからTiO分子データを取得し,波長に対して放射強度を相対的に計算できるようにした。これによりTiOの振動温度・回転温度の把握が可能になる。 4. 電磁熱流体解析によるSMC-MP内速度場・温度場解析 Ar-O2プラズマを対象とした電磁熱流体解析プログラムを修正し,変調による変動速度場・温度場を解析できるようにした。さらに,パウダ・キャリアガス供給用プローブを考慮できるように改良し,これを用いて変調状態におけるプラズマの温度場の変動を計算できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
変調型大電力プラズマを用いて,変調率,Duty比,原料間歇投入など様々な条件で高次にプラズマを制御しながらナノ粒子を生成しており,そのSEM, XRD, BET分析も順調に勧めている。実験的には,ナノ粒子の平均粒径と変調率,Duty比との関係を把握できている。またプラズマの状態を分光スペクトル測定から観測しており,さらに理論的にTiO分子スペクトルを計算できている。この理論データと実験値とを比較すれば,時々刻々変化するプラズマの温度の変化を把握でき,非常に有用である。さらには電磁熱流体解析プログラムも,プラズマに挿入する水冷プローブも考慮できるように改良し,変調した場合のプラズマの温度場・流速場の計算もできるようになっている。これら電磁熱流体解析の理論結果から得られる諸量と,実験結果から得られるナノ粒子の粒径や収率などを比較検討していくことで,より効率的なナノ粒子生成条件を探索できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後,開発した手法を用いながら,さらに実験条件を詰めていくとともに,さらなるナノ粒子高効率生成に向けて以下のアプローチを行う。 まず,変調プラズマへの原料変調同期導入による原料最大投入値の検討を行う。変調プラズマに原料を同期して間歇導入することで,プラズマへの入力電力が高い時に原料を導入し完全蒸発させ,入力電力が低い時には原料導入しない。この時,より多くの原料導入ができれば,高効率でナノ粒子を生成できる。このための把握実験を行う。本実験の焦点は,プラズマの安定維持と原料の間歇投入による大量投入である。次に,実際に原料の同期間歇導入法によるナノ粒子の大量生成試験を行う。原料を変調プラズマに対して同期間歇的に供給する手法によりナノ粒子を実際に生成する。この際,まずは変調波形は矩形波に限る。プラズマの変調条件Duty, 変調率をそれぞれ変更して,TiO2ナノ粒子の大量生成生成を試みる。さらに,生成粒子の分析する。前年度購入した分光光度計による光吸収特性を明らかにする。実験条件と生成粒子との関係を明らかにする。次に,原料の大量間歇同期投入した変調プラズマにおけるTiOスペクトル分光観測を行い,TiO2ナノ粒子生成との関連性を検討する。理論的なアプローチとして,電磁熱流体解析による変調プラズマ内の流速場・温度場の各変調パラメータ依存性の検討をさらに行っていく。 以上により,より高効率なナノ粒子生成手法を開発していく。
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Research Products
(6 results)