2011 Fiscal Year Annual Research Report
マグノニック結晶のスピン波制御機能と室温超高感度磁界センサへの応用
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23246061
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
井上 光輝 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90159997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 雄一 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20345953)
高木 宏幸 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40390463)
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Keywords | 電気・電子材料 / マグノニック結晶 / 磁界センシング / 心磁界 / 脳磁界 / 室温動作 / モノリシック / 多軸磁界センシング |
Research Abstract |
本研究は,科研費基盤研究SやMEXTキーテクノロジー事業で得た磁性フォトニック結晶を発展させ,人為的周期構造をもつスピンシステム(マグノニック結晶)を用いたスピン波の2次元・3次元空間での制御と,そのスピン波機能を用いた室温で動作し世界最高レベルの感度を持つマグノニック結晶磁界センサを実現するものである。今年度は,マグノニック結晶を磁界センサに応用するための基礎研究を行った。詳細は下記の通りである。 1.これまではスピン波を励起するためのバイアス磁界を,外部電磁石を用いて行っていた。本研究では励磁用薄膜磁石をマグノニック綿と一体化したモノリシック髄を作製し,システムの小型化(9mm×6mm)を行った。この時の磁界感度は約7,900%/Oeであった。 2.波の伝搬方向と印加磁界によって波のモードが表面波(MSSW),体積波(MSFVW, MSBVW)となる。これらは異なる分散関係を持ち,伝搬帯域の周波数帯域が異なる特徴を有する。今年度の研究では,これら印加磁界による伝搬する波のモードと分散関係の違いから2次元・3次元磁界センシングを行えることを実験で確認した。 3.磁界感度の定量的検討を行い,環境磁界である10^-2オーダまで測定出来る事を実証した。これは環境磁界よりも高い磁界分解能を有しているためであり,今後は磁気シールドルーム内で磁界感度の測定を行う。 4.導波路材料である多結晶YIGの粒子径制御のたあ,10 nsecパルス幅,355nm波長のレーザアニール装置を構築した。 5.研究の過程で導波路材料にパーマロイ膜に着目した。パーマロイ膜は作成・加工が容易であり,磁化容易軸を付与しやすいことから励磁磁石が不要となる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度で磁界センサとして重要な構造形成,基礎特性の評価は確立できた。 来年度は当初の予定通り,今年度の成果を基に生体等の磁界センシングの検討を行う予定であり,本提案研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度で磁界センサとして重要な構造形戎,基礎特性の評価は確立できた。 来年度は今年度の成果を基に,生体等の磁界センシングの検討を行う予定である。 磁界センシングでノイズの影響を受けて期待通りの動作が得られない場合でも,計画書で計画したとおり,マグノニック・バンドギャップでの位相の大幅な変化を利用した高感度磁界センシングを行う。
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Research Products
(8 results)