2012 Fiscal Year Annual Research Report
室温動作集積単電子トランジスタと大規模CMOS回路との融合による新機能創出
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23246064
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平本 俊郎 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (20192718)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 電子デバイス・機器 / 半導体物性 / 大規模集積回路 / Beyond CMOS / 単電子トランジスタ |
Research Abstract |
本研究の目的は,ナノスケールの半導体構造中で新たに発現する物理現象を積極的に利用したいわゆるBeyond CMOSデバイスと,既存のCMOS回路を融合させることにより,新たな新機能を創出する新概念集積回路を実現することである.Beyond CMOSデバイスとして,本研究では室温動作のシリコン単電子トランジスタを取り上げる.まず,集積回路中での新機能を創出するために,室温で動作する単電子トランジスタに不揮発性メモリ効果を持たせることを試みた.デバイス構造は,シリコンナノワイヤチャネルに形成されるシリコンドットの上に,薄いトンネル酸化膜を挟んでフローティングゲートを有する構造である.さらにその上には厚い酸化膜を挟んで通常の制御ゲートが位置している.制御ゲートに電圧を印加すると,フローティングゲートに電子がチャネルから注入され,チャネル全体のポテンシャルが上昇することにより,クーロンブロッケード振動のピーク位置を変化させることができる.本構造の単電子トランジスタを試作し,室温で山谷比10以上という大きなクーロンブロッケード振動を観測するとともに,そのピーク位置をゲート電圧により正確にかつ不揮発的に制御可能であることを実験で示した.また,フローティングゲートまわりのプロセスの改良を行うことで,振動のピーク位置の保持時間をほぼ無限大に長くすることに成功した.さらに,CMOS回路を構成するためのシリコンナノワイヤトランジスタを室温動作単電子トランジスタと同一チップ上に作製することにも成功している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最終目標である室温動作単電子トランジスタと既存のCMOS回路の融合による新機能創出にむけ,同一チップ上にシリコンナノワイヤトランジスタと不揮発制御可能な単電子トランジスタを集積することに成功しており,本研究は着実に進んでいるといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
シリコンナノワイヤトランジスタの特性を向上させるとともに,室温動作単電子トランジスタの歩留まり向上を図る.
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Research Products
(9 results)