2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23246067
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永妻 忠夫 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (00452417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久武 信太郎 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (20362642)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | マイクロ波・ミリ波 / テラヘルツ波 / トモグラフィ / 電子デバイス・機器 / 計測工学 |
Research Abstract |
当該年度においては、昨年度の「時間領域型トモグラフィシステム」で確立した小型干渉計システムをベースに、本計画の目標である「周波数掃引型トモグラフィシステム」の研究を進めた。得られた成果は以下のとおりである。 1)波長可変レーザとフォトダイオードを用いて、240GHz~450GHzの帯域で単一周波数の電磁波を連続的に掃引する「周波数掃引型トモグラフィシステム」を開発し、3次元イメージングに世界で初めて成功した。また、理論限界に近い、奥行き分解能1.55mm、横方向分解能1.7mmを達成するとともに、昨年度開発の時間領域型システムと比較して、測定時間が約40%に短縮された。画像に関しては、信号源の総帯域が同じであれば、時間領域、周波数領域で大きな差がないことが確認された。 2)光技術の代わりに、周波数逓倍技術を用いて300GHz帯電磁波を連続掃引する全電気システムを開発し、光技術を用いたシステムとの比較を行った。電気部品の制限により180GHz~380GHzまでしか掃引できなかったが、帯域により決まる分解能を達成した。加えて、光技術に比べて約一桁を超える出力パワーが得られており、測定対象に応じて、光技術と電気技術をすみ分けることができると結論できる。 3)適用領域の拡大を目指し、物質透過率が高くなり、より深度の大きな情報が得られる30GHz帯のトモグラフィシステムの開発を行い、コンクリート内部の亀裂や木質材料の診断などに適用できることが明らかになった。 4)光技術を用いた450GHz~730GHzの広帯域の信号発生に成功し、これを周波数掃引型システムに導入して予備実験を行った結果、1mm以下の奥行き分解能が得られる見通しを得た。 上記の成果に対して、2名の学生が国際会議および国内研究会での最優秀論文賞を獲得するなど高い評価が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
目標としていた300GHz帯の周波数掃引型のトモグラフィシステムの開発を順調に進め、3次元イメージングに成功、国際会議における最優秀学生論文賞、国内研究会における最優秀論文賞し高い評価を受けたこと、適用領域(測定対象)の拡大のため30GHz帯のトモグラフィシステムの開発に展開できたこと、さらに最終年度に予定していた600GHz帯のトモグラフィシステムの開発に早期着手し原理実験に成功したこと。
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Strategy for Future Research Activity |
時間領域から周波数領域トモグラフィ、そして高周波化と、当初の計画を上回る進捗で研究が進んでいることから、今後、より実用を目指した観点から技術を磨き、デモンストレーション等が容易にできるシステムまで完成度を高めていきたい。
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Research Products
(18 results)