2011 Fiscal Year Annual Research Report
アプタマー固定ダイヤモンド表面による高感度プロテインチップ
Project/Area Number |
23246069
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
川原田 洋 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90161380)
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Keywords | センシングデバイス / バイオデバイス / DNAデバイス / タンパク質チップ |
Research Abstract |
(1)ダイヤモンド上へのアプタマー(DNA,RNA)直接固定技術 1.1ダイヤモンド表面に固定されたアプタマーによるタンパク質の検出 アミノ基、カルボキシル基(論文1,3,8)で化学修飾したダイヤモンド表面でアプタマー固定を行い、蛍光によるタンパク質の光学検出と電解質溶液ゲートFET(SGFET)によるタンパク質の電荷検出の対応関係を明らかにした。ダイヤモンド表面上に固定されたDNAアプタマーにて血小板由来成長因子(PDGF)の検出を蛍光法およびFETによる電荷検出法の両者で可能とし(論文6,8)、SGFETによる再現性のよい電荷検出をもとに、PDGFの2量体構造のイソフォームの区別等の高精度検出(論文7)を行った。また、HIV Tatタンパク質の検出をRNAアプタマーにて実施した。この検定は2段階で、アプタマーがHIV Tatタンパク質と結合する結合部位のペプチド鎖(高アルギニン領域、正に帯電)のみでの検出(論文2)と全タンパク質レベルでの検出(論文投稿中)の両者で電荷検出の可能性を初めて明らかにした(論文2)。 1.2抗体の配向固定技術の開発 標的タンパク質(ここでは抗体)に結合するRNA、DNAから抗体活性に影響を与えないタンパク質の特定部位に結合するアプタマーを探索した。活性部位が全て表を向くような配置を構築する試みを開始した。 (2)DNA認識微細ダイヤモンドSGFET作製 これまで開発したSGFETをナノサイズまで微細化して分子認識素子に発展させるために、デバイス縮小化を検討した。微少サイズのSGFETの動作確認、検出部にアプタマーの固定を開始した。また、ボロンドープ層を利用し、検出感度が向上し、しかも再現性が高く、耐性の高いSGFETが作製された(論文4,5)。このデバイスにて、さらに好感度でタンパク質とアプタマー結合による電位変化を検出する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
23年度の目標である、固定DNAアプタマーによるPDGFでの2量体構造でのイソフォームの識別、梱AアプタマーによるHIV Tatタンパク質の電荷検出を行った。これらはFETによる電荷検出で世界で初めての結果である。また、集積化のための微細FETセンサの作製を行った。さらに、ボロンドープダイヤモンド層を利用し、耐性の高いセンサおよび固定アプタマーの安定化を図った。
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Strategy for Future Research Activity |
より耐性の高いバイオセンサを目指し、実用化に耐えうる堅牢性を考慮した研究開発に取り組む。
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Research Products
(15 results)