2013 Fiscal Year Annual Research Report
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23246071
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| Research Institution | Nagoya University |
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Principal Investigator |
林 正人 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (40342836)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 朋宏 電気通信大学, 情報システム学研究科, 准教授 (00323527)
松本 隆太郎 東京工業大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (10334517)
石坂 智 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (10443631)
小柴 健史 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (60400800)
西村 治道 名古屋大学, 情報科学研究科, 准教授 (70433323)
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| Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 量子ブラインド計算 / アンシラ駆動測定型 / 認証 / エンタングル状態 / 状態変換 |
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| Research Abstract |
マルチユーザ型のネットワークで求められる重要な機能として認証があり，その実現方法の1つがブラインド計算である．量子計算機に対して安全であるには量子ブラインド計算が望ましい．今年度はアンシラ系と計算系の間に事前にエンタングル状態を準備し，アンシラ系のみ測定を行うアンシラ駆動測定型の量子計算機で量子ブラインド計算を実現した．この量子ブラインド計算をマルチユーザ型のネットワークの中で他のプロトコルに組み込んだ場合にも全体として適切に機能するかという点が気になるが，この性質は汎用結合可能性と呼ばれ，今回は別のタイプの量子ブラインド計算について示すことができた．
このアンシラ駆動測定型の量子計算機で用いられるエンタングル状態は資源として貴重なものであり，目的に応じて最小限必要となるエンタングル状態の形が異なる．我々はこの点に注目して，局所操作と古典通信だけによるエンタングル状態の変換理論を研究し，そのときに生じるロスについて研究した．一般に，複数コピーの純粋エンタングル状態から他の複数コピーの純粋エンタングル状態への変換比率は変換前後の状態のエントロピーの比で漸近的には与えられる．しかし有限サイズの資源に対する正確な変換比率を，特殊な場合に与えた．特に，有限サイズの資源の変換比率を扱うには近似的にもより高次の漸近理論が必要となり，今回，一般のエンタングル状態の変換に関しても，2次オーダーの漸近理論を与えた．さらに目的に応じて，自在にエンタングル状態を準備するには，変換後に元の状態に戻すことも考慮しないといけない．エンタングル状態の変換精度と復元精度の両者のトレードオフについても扱った．
さらに，今回のエンタングル状態の変換に関する成果は多端子のエンタングル状態の中でも，GHZ型と呼ばれるものに自然に拡張できる．この成果はマルチユーザ型の量子ネットワーク上の情報処理に適用可能と思われる．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は，マルチユーザ型のネットワークで求められる認証機能を実現する量子ブランド計算について，大きな進展があった．また，量子ブランド計算を実現する測定型量子計算に必要となるエンタングル状態の変換理論についても大きな進展があった．特に，ここで得られたエンタングル状態は多端子のＧＨＺ型とよばれるエンタングル状態の変換にも用いることができ，この方向の進展も期待できる．
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| Strategy for Future Research Activity |
今後，マルチユーザ型の量子ネットワークを進めるにあたって，計算理論部分の研究と情報理論部分の研究をさらに融合させる必要がある．そのためには，情報理論の部分で従来の漸近論だけでなく，有限長解析まで考慮に入れた研究が必要となる．今後は，このような点に配慮して研究を進めて行きたい．
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