2012 Fiscal Year Annual Research Report
最適空間サンプリングによる地雷検知用レーダイメージングの効率化
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23246076
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 源之 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (40178778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 一徳 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (60431475)
園田 潤 仙台高等専門学校, 知能エレクトロニクス工学科, 准教授 (30290696)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | レーダ / 地雷検知 / コンプレッシブ センシング / イメージング / 合成開口レーダ / 大気補正 / ALIS |
Research Abstract |
1.GB-SAR を利用した最適サンプリング手法の開発:GB-SAR(地表設置型合成開口レーダー)は地表に設置した合成開口レーダー装置である。今回は地表面や崖面の画像を3次元的に作成するのに利用している。SARにおいて、いかにナイキスト定理の制限を超えた、疎なデータサンプリングにより同等の画像再構成が可能かについて、データ取得と再構成がより簡便な地表設置型合成開口レーダ(GB-SAR)を利用した模擬実験と、アルゴリズムの開発を行った。 2.地滑りのモニタリングへのGB-SARの利用:2012年6月より宮城県栗原市荒砥沢に設置するGB-SAR装置による地滑りモニタリングを開始した。実データを連続的に取得することで、インターフェロメトリ処理における位相精度に関して、大気補正の必要性を定量的に検討した。また従来、振幅の安定性から干渉相関性の高い地点を検知していたが、データのランダムサンプリングを行ったサブイメージの作成で、即時性のある干渉相関点の検出法を新たに提案した。本手法は特許出願準備中である。 3.地雷検知センサALISへのCSの利用:我々が開発した地雷検知装置ALISは地雷のイメージングを主体として地雷識別を行うが、データは操作員がアンテナを手動で走査しながら取得するため、非常にランダムな位置でのデータが得られる。このデータに、コンプレッシブ・センシング(CS)の手法を利用したイメージングを試みたところ、原理的なイメージングが可能な事を実験データで証明できた。 4.人道的地雷除去用センサの実展開:地雷被災国カンボジアにおけるALISの実展開をカンボジア地雷除去センターCMACと共同で続けている。 5.データサプリング密度の検討:従来型の地中レーダ(GPR)を利用し、データ取得密度と再考されうイメージの精度を実験的に検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
データサンプリングと効率的な合成開口レーダのイメージングアルゴリズムを開発することが本研究の重要な目的の一つである。 コンプレッシブ・センシング(CS)によるレーダイメージングは、こうした方法を実現する可能性が高いアルゴリズムであるが、従来は空中に孤立したターゲットが置かれているような、正に「疎なターゲット Sparse target」に対してでなければ適用が難しいと思われてきた。我々は、実験室レベルで地表設置型合成開口レーダ(GB-SAR)を利用して、孤立して置かれた金属球のCSによるイメージングに成功したが、次に砂に埋められたターゲットをCSによってイメージングすることに成功した。これはクラッタの強い環境でCSが適用できることを示した世界的にも新しい成果である。更に、我々がカンボジアで展開しているALISによる実地雷原で取得した地中レーダのデータに対してCSを適用し、地雷のイメージングに成功した。これは、ALISの効率的なイメージングアルゴリズムの開発につながる非常に重要な成果であると考えている。 一方、GB-SARを用いた宮城県栗原市荒砥沢での地滑りモニタリングは、栗原市役所の協力を得ながら、実計測を継続的に行う態勢を確立した。干渉データの精度を確認する過程で、大気補正の定量的な手法の必要性が明らかになった。一方、データ取得はハードウエアの制約から、必ずしも効率的に行えず、必要以上にデータ取得密度が高い状態で操作を継続していたが、データの冗長性を利用し、ランダムサンプリングを行うことで、複数のサブルックイメージを即時的に作成することに成功した。更に複数のサブルックイメージの複素相関係数から干渉点を検知し、大気補正に利用する手法を新たに提案した。本手法は、特許申請を準備中であり、本来予定していた計画を超えた成果に結びついていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
ほぼ予定通りの推進の予定である。特によりクラッタの大きいデータに対するCSの適用と、GPRイメージングの効率化を進める。
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Research Products
(35 results)