Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 秀則 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70344314)
綾野 克紀 岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (10212581)
五十嵐 心一 金沢大学, 環境デザイン学系, 教授 (50168100)
宮里 心一 金沢工業大学, 環境建築学部, 准教授 (60302949)
櫨原 弘貴 福岡大学, 工学部, 助教 (70580182)
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Research Abstract |
平成23年度は,けい酸塩系表面含浸材の作用機構,劣化抑制効果,およびその評価方法を主眼とする研究を実施した。検討項目別の主な成果を下記に示す。 (1)コンクリート中への含浸材の浸透過程と反応メカニズムに関する検討 けい酸塩系表面含浸材の主成分であるNa,Li,Kイオンの細孔溶液中の増加量に着目することにより,浸透深さを定量的に評価できることを示した。また,改質された表層部分の硬度増大は,微細な毛細管空隙量の減少によりもたらされ,これをPowersモデルおよびゲル空隙比から推定する方法を示した。さらに,含浸材の種類によって,影響要因とその影響度が異なることを明確するとともに,各要因を管理するうえでの適正範囲を示した。例えば,反応型には反応に必要なCaイオンと水分の供給が不可欠となるが,固化型の場合は塗布・浸透のための以上の水分供給は逆に固化反応を阻害するなど,種類に応じた取り扱いが必要になる。 (2)各種劣化現象に対する含浸材の抑制効果の定量評価に関する検討 各種劣化現象に対する含浸材の抑制効果を暴露試験および促進試験により評価した。その結果,適切な設計,施工がなされた場合には,塩分浸透,中性化,凍害,化学的浸食,ひび割れ,透水・吸水・漏水,すり減り,に対する劣化進行抑制効果あるいは補修効果があることを確認した。ただし,期待する効果を得るためには,使用目的に応じた材料を選定し,その材料に応じた施工を適切に実施することが不可欠である。なお,適切な使用のためには,施工後の性能確認試験方法の整備が重要となることから,目的に応じた各種性能評価試験方法についても検討・整理した。
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