2012 Fiscal Year Annual Research Report
コンクリート構造物の長寿命化におけるけい酸塩系表面含浸材の役割とその評価方法
Project/Area Number |
23246081
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
武若 耕司 鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (10155054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綾野 克紀 岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (10212581)
五十嵐 心一 金沢大学, 環境デザイン学系, 教授 (50168100)
山口 明伸 鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (50305158)
宮里 心一 金沢工業大学, 環境・建築学部, 教授 (60302949)
浜田 秀則 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70344314)
櫨原 弘貴 福岡大学, 工学部, 助教 (70580182)
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Project Period (FY) |
2011-05-31 – 2014-03-31
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Keywords | けい酸塩系表面含浸材 / 反応型けい酸塩系表面含浸材 / 固化型けい酸塩系表面含浸材 / 性能照査 / 設計施工 / 品質検査 / 維持管理 |
Research Abstract |
平成24年度は、初年度における「コンクリート中への含浸材の浸透過程と反応メカニズム」および「各種劣化現象に対する含浸材の抑制効果」における成果を踏まえ、実際に実構造物に適用する際の、「効果的な施工方法」ならびに「施工後の品質検査方法の確立」に対する検討を実施した。検討項目別の主な成果を下記に示す。 【構造物への効果的な含浸材の施工方法の確立に関する検討】 初年度における上記の検討により、含浸材はその主成分に応じて反応型と固化型に分類されることが明確になった。さらに今年度の検討により、反応型の養生には十分な水分が不可欠である反面固化型の養生には過剰な水分供給は控えるべきである等、含浸材の効果を発揮するためには、その特性に応じた施工方法を選定すべきであることを実験的に確認した。これらの成果を取りまとめ、含浸材種類の事前判定方法とそれに応じた設計施工を実施するための指針(案)を確立した。 【含浸材施工後の品質検査の方法の確立】 実構造物ならびにモデル試験体を用いた実験的検討により、含浸材施工後の品質検査手法について検討した。その結果に基づき、含浸材施工後のコンクリートへの浸透深さの確認方法、ならびに含浸材塗布後のコンクリートの改質効果を確認するための各種要求性能に応じた品質検査方法を新たに確立した。さらに、品質改善後のコンクリートに対する長期性能予測手法を構築した。これらの成果により、施工前の効果予測、施工後の品質検査、さらに性能の将来予測、といった設計施工維持管理システムを構築することができた。 なお、平成23および24年度に得られた本研究の成果は、平成24年発刊の「土木学会コンクリートライブラリー137:けい酸塩系表面含浸工法の設計施工指針(案)」制定のための参考資料として大いに寄与しており、一部は巻末の参考資料としても掲載されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度および2年目に計画していた「含浸材の基本性能の把握」と「含浸材の補修性能の把握」については既に十分な検討成果が得られたことから、平成24年度には、当該年度に予定していた研究内容の遂行に加えて、当初最終年度に計画していた「含浸材の有効利用の方策の提案」および「データベースの構築」についても前倒しで検討を開始した。これらの成果を踏まえ、最終年度の検討課題であった「補修工法に有効に活用するためのマニュアル案」については原案の取り纏めまで実施できており、既に当初の計画以上に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、「含浸材をコンクリート構造物の補修工法に活用するための方策」を提案するとともに、「将来の性能評価に役立つデータベースの構築」を行う。前者については2年間の成果に基づいたマニュアル案を取りまとめており、今後は後者のデータベースの構築に注力しつつ、その成果をフィードバックすることで、より実用性の高いマニュアルを策定する予定である。なお、含浸材の品質検査や性能確認試験は、今後も開発されるであろう多種多様な含浸材に対応する必要があり、その検査精度の向上と対象範囲の拡大のための継続的な検討は最終年度も進めていく予定である。
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Research Products
(15 results)