• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2012 Fiscal Year Annual Research Report

材料構成則と部材変形解析に基づく建築骨組の損傷制御型構造・耐火調和設計法の開発

Research Project

Project/Area Number 23246101
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

西山 峰広  京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50183900)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 原田 和典  京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90198911)
平島 岳夫  千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20334170)
坂下 雅信  京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50456802)
谷 昌典  独立行政法人建築研究所, その他部局等, 研究員 (50533973)
河野 進  東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (30283493)
Project Period (FY) 2011-04-01 – 2014-03-31
Keywords耐火 / 鋼骨組 / 付着 / 鉄筋 / コンクリート / 鋼繊維 / 高温 / ボルト
Research Abstract

高温下でコンクリートシリンダーからの鉄筋の引き抜き試験を実施し,付着応力-すべり関係を得た。実験変数は温度であり,常温と,100℃~600℃まで100℃刻みで設定した。常温でのコンクリート圧縮強度試験値は,23.9N/mm2,鉄筋降伏強度試験値は,383N/mm2である。実験から次のような結果が得られた。最大付着応力は,常温から一旦100℃で低下するが,200℃で回復し,以降600℃まで低下し続けた。これは,コンクリートの熱間圧縮強度の挙動と酷似しており,コンクリートの圧縮強度低下が最大付着応力の低下に大きく影響しているものと考えられる。得られた付着応力-すべり関係は,fib Model Code 2010の常温時の付着応力-すべり関係モデルに基づきモデル化された。
鋼骨組の載荷加熱実験を実施した。試験体は,高力ボルト梁継手と溶接接合部を有する鋼構造日の字型ラーメンであり,終局耐力については鋼梁を主たる検討対象としている。本耐火実験の目的は,1)鋼骨組における鋼材温度の分布,加熱部材の熱容量および非加熱部材への熱伝導の影響,2)鋼構造骨組に生じる変位とひずみ,加熱部材の熱膨張を非加熱部材が拘束することによる影響,3)骨組内にある鋼梁の限界温度と崩壊モード,単純支持梁との違い,4)高力ボルト摩擦接合継手および溶接接合部の損傷,5)加熱冷却後における骨組の残留応力と変形などである。中段梁の材軸方向の温度分布を見ると、中央部に比べ、高力ボルト継手部は 8 割程度の温度であったなどの知見が得られた。
鋼繊維補強コンクリートを用いたプレテンション梁の載荷実験を行った。これは耐火性が未解明の鋼繊維補強コンクリートとプレテンション梁について,地震により損傷を受けた後の耐火性を調査するため,まず,常温での載荷実験を行い,損傷程度を把握した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初予定していた研究項目は次の5項目であった:1.ひび割れ幅と部材内部温度上昇の関係を実験的に得ることと,ひび割れ幅の影響を考慮した熱伝導解析法の開発,2.高温下における付着試験を引き続き実施,3.鉄骨梁と鉄筋コンクリート梁部材の耐火試験,4.鉄筋コンクリート柱部材の耐火試験,5.鉄筋コンクリート造および鉄骨造不静定骨組の耐火試験。このうち実施できたのは,高温下における付着試験と鉄骨造不静定骨組の耐火試験であった。付着試験から得られたデータに基づき,高温下での付着応力ーすべり関係をモデル化した。
また,当初の計画にはなかったが,鋼繊維補強コンクリートとプレテンション部材が地震により損傷を受けた後の耐火性を調査するため,まず常温での載荷実験を実施した。本実験は,地震後に火災が発生する場合を想定し,地震で被る損傷,特に残留ひび割れ幅やカバーコンクリートの剥落が耐火性にどのように影響するのかを明らかにするため,まず,地震による被災程度とひび割れ幅やカバーコンクリートの剥落程度の関係を,ひび割れ幅やカバーコンクリートの剥落に大きな影響を及ぼす繊維補強コンクリートとプレストレスというふたつの要因から見ようとするものである。これは,当初予定していたひび割れ幅と部材内部温度上昇の関係についての研究に関連するものである。
以上から,資金面の制約もあり,当初予定していた全ての項目を達成することはできなかったが,着実に研究成果が得られているものと考えている。

Strategy for Future Research Activity

最終年度にあたる今年度は以下のような項目について研究を進める:1.これまでに実施した材料の高温時試験結果に基づき,鋼材とコンクリート材料の高温時構成則のモデル化,,鋼材とコンクリートの界面での高温時付着特性のモデル化を行う。2.コンクリート,鋼材,付着の構成則モデルを,これまでに実施した鉄筋コンクリート構造骨組と鉄骨造骨組に対する耐火試験に適用し,試験結果を解析的に追跡する。3.鉄筋コンクリート部材のひび割れ幅と部材内温度分布との関係を調べるために,コンクリート要素にひび割れを生じさせ,この幅を制御した上で,加熱を行う。ひび割れ幅を実験変数として,要素内部温度の変化を測定する。実験結果から,長期荷重で生じたひび割れ,あるいは,地震によって生じたひび割れが,鉄筋コンクリー ト部材内部温度に与える影響を定量化する。4.コンクリート材料が長周期長継続時間地震動により損傷を受けた後,すなわち,圧縮強度の80%前後の応力を繰り返し受ける低サイクル疲労により損傷を受けた後,火災による高温を受ける状態を想定する。コンクリートシリンダーに対して圧縮強度の70%,80%および90%の応力により,数百回の繰り返し荷重を与えた後,高温下において,あるいは,高温に加熱した後,圧縮強度試験を行う。5.ひび割れ幅やカバーコンクリート剥落がコンクリート系部材の耐火性に及ぼす影響を定量的に明らかにする。
以上の研究結果を総合し,構造設計と耐火設計を調和した設計法を提案する。

  • Research Products

    (6 results)

All 2013 2012

All Journal Article (3 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] 鋼構造骨組の火災時挙動に関する載荷加熱実験2013

    • Author(s)
      奥脇一馬,趙玄素,平島岳夫,相模裕輝,豊田康二
    • Journal Title

      2012年度日本建築学会関東支部研究報告集

      Volume: I Pages: 629-632

  • [Journal Article] 鉄筋コンクリート造ト型部分架構の耐火実験 (その1 実験概要)2012

    • Author(s)
      西山峰広,松田司,林成俊,谷昌典
    • Journal Title

      日本建築学会大会学術講演梗概集(東海)2012年9月

      Volume: 防火 Pages: 209-210

  • [Journal Article] 鉄筋コンクリート造ト型部分架構の耐火実験 (その2 実験結果)2012

    • Author(s)
      松田司,西山峰広,林成俊,谷昌典
    • Journal Title

      日本建築学会大会学術講演梗概集(東海)2012年9月

      Volume: 防火 Pages: 211-212

  • [Presentation] 鋼構造骨組の火災時挙動に関する載荷加熱実験2013

    • Author(s)
      奥脇一馬
    • Organizer
      2012年度日本建築学会関東支部研究報告会
    • Place of Presentation
      建築会館
    • Year and Date
      20130306-20130309
  • [Presentation] 鉄筋コンクリート造ト型部分架構の耐火実験 (その1 実験概要)2012

    • Author(s)
      西山峰広
    • Organizer
      日本建築学会大会
    • Place of Presentation
      名古屋大学
    • Year and Date
      20120912-20120912
  • [Presentation] 鉄筋コンクリート造ト型部分架構の耐火実験 (その2 実験結果)2012

    • Author(s)
      松田 司
    • Organizer
      日本建築学会大会
    • Place of Presentation
      名古屋大学
    • Year and Date
      20120912-20120912

URL: 

Published: 2014-07-24  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi