2013 Fiscal Year Annual Research Report
固体酸塩基の水和反応を利用する酸化物表面プロトニクス材料の開発
Project/Area Number |
23246112
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 周 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10182437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三好 正悟 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30398094)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 表面・界面物性 / プロトン伝導 / 固体酸 / Lewis酸 / 電気二重層 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではナノ粒子から構成されるバルク体および薄膜を,それぞれゾルゲル法などの溶液合成法(化学的方法)と反応性スパッタなどの物理的方法により合成し,その表面の酸塩基と酸化還元を同時に利用することにより,中低温で高いプロトン伝導性等の多様なプロトン活性を有する酸化物表面を創製することを目的としている. 本年度はTiO2ナノ構造体を作製し,表面吸着特性と電気伝導特性を調べた.TiO2はバルクの性質として電子伝導性を有するため,常温超高圧合成で粒子間に形成される表面水和チャンネルによるイオン伝導と,粒子接触を通じて形成される電子伝導パスによる混合伝導が期待される.水蒸気含有雰囲気における電気伝導度は高温域において熱活性的な挙動を示した.一方,低温域においては反熱活性的な温度依存性を示すとともに,乾燥雰囲気においては伝導度が著しく低下した.低温域におけるこの挙動はZrO2系酸化物ナノ構造体と同様であり,プロトン伝導が支配的であると考えられる.TiO2においてはバルクの性質として電子伝導が支配的であるとともにイオン伝導性が極めて小さいため,そのナノ構造体においてプロトン伝導性が発現したことは重要な知見である. 薄膜試料については,非晶質Si酸窒化物(a-SiON)薄膜を反応性スパッタにより作製して電気化学測定を行った.電極金属としてPtおよび水素溶解性を有するPdを用いた場合の電極反応抵抗を比較すると,Pd電極において非常に小さい抵抗値が観測されたことから,この電極反応に関わるイオン伝導種はプロトンであると考えられる.本研究の成果から,バルクの性質としてプロトン伝導を示さない材料であっても,ナノ粒子から成る薄膜においては表面吸着に由来するプロトン伝導性が発現し,特に絶縁性・誘電性材料においては直接的および直流分極の結果として間接的に薄膜の伝導性に影響を及ぼすことが示唆される.
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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