2011 Fiscal Year Annual Research Report
LPSO型マグネシウム合金のプロセス設計と合金設計
Project/Area Number |
23246122
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
河村 能人 熊本大学, 先進マグネシウム国際研究センター, 教授 (30250814)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
眞山 剛 熊本大学, 大学院・先導機構, 准教授 (40333629)
山崎 倫昭 熊本大学, 先進マグネシウム国際研究センター, 准教授 (50343885)
|
Keywords | マグネシウム / 長周期積層構造 / 機械的特性 / 押出加工 / 凝固 / 鋳造 / 展伸材 |
Research Abstract |
(1)鋳造塑性加工プロセス技術の開発 (2)鋳造材の長周期積層構造相の体積分率が押出加工後の組織と機械的性質に及ぼす影響 長周期積層構造相体積分率の増加に伴って押出加工材の強度が増加すること、長周期積層構造相の体積分率が40%以上では室温強度が押出速度に依存しなくなることを明らかにした。特に長周期積層構造相の体積分率が80%以上の場合には高温強度の上昇率の向上がさらに著しくなることがわかった。以上より長周期積層構造相の体積分率を増加させることで、Mg-Zn-Y合金の高温強度が増加することを明らかにした。 (2)鋳造時の冷却速度や微細化剤の添加が機械的性質に及ぼす影響 Mg-Zn-Y系合金に微細化剤であるZr金属の添加は、鋳造組織の結晶粒微細化のみならず長周期積層構造相のネットワーク化によるセル組織形成を引き起こすことZr金属の添加量が従来の1/10添加(0.01at.%)だけで押出加工材の高強度化に十分な添加量であることを明らかにした。 冷却速度が速いほどデンドライト二次アーム間隔が減少して、LPSO相の高分散化及びα相再結晶領域の増加が起こることを明らかにした。 (3)鍛造加工条件機械的特性に及ぼす影響 Mg合金押出材の最大鍛造加工率は300℃で65%であった。鍛造速度100mm/sで一度に鍛造ができ、硬質相の長周,期積層構造相はLPSOが大きく湾曲し塑性変形能に優れていることを明らかにした。 (2)粉末冶金プロセス技術と切削チップ固化成形技術の開発 切削チップ固化成形技術の高度化として、Mg-Ni-Y合金チップ固化形成材(長周期積層構造相の体積分率48%)の0.2%耐力は573MPa、塑性伸びは3.0%であった。チッピング工程は、長周期積層構造相へのキンク変形帯導入のみならず、長周期積層構造相の効果的な分散を促進させることを明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)鋳造塑性加工プロセス技術の開発:Mg-Zn-Y系合金長周期積層構造相の体積分率毎に最適な押出条件を特定したことにより、LPSO型Mg合金の実用化の可能性を高めた。 (2)粉末冶金プロセス技術と切削チップ固化成形技術の開発:世界ではじめて切削チップ固化成形技術によりLPSO型超高強度Mg合金を作製した。
|
Strategy for Future Research Activity |
(1)鋳造塑性加工プロセス技術の開発 機械的特性だけではなく、加工性と耐食性を考慮した特性バランスとコストパフォーマンスが良い合金(Mg-Zn-Y-X合金)を利用して鋳造塑性加工プロセス技術を重点的に開発する。 (2)粉末冶金プロセス技術と切削チップ固化成形技術の開発 Mg-Ni-Y系合金の切削チップ固化成形技術の高度化のための切削チップのサイズ及び形制御技術を重点的に開発する。
|
Research Products
(93 results)