2014 Fiscal Year Annual Research Report
水素中時効によるCu等非鉄系合金の新しい析出モードと高機能化
Project/Area Number |
23246123
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡田 益男 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (80133049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀川 厚則 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90292242)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 水素 / ナノ材料 / 電子・電気材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、TiやMg等の水素との親和力の強い元素を含有させたCu、Al系 等の二相分離や時効硬化を利用した非鉄系合金を対象として、水素処理という新技術が、これら合金の微細組織に及ぼす効果や、機械的特性や電気的特性の向上の可能性について検討することを目的とする。昨年度にはCu-0.2Cr -0.5Zr-0.5Ti組成の合金において電気伝導度がAr中熱処理では20~35%IACSであるが、水素中熱処理では60~80%IACSと大きく向上することがわかった。一方で、いずれも大きな強度変化はなかった。 今年度は、Ti組成を変化させてCu-Cr-Zr(-Ti)系合金の水素中時効熱処理による最適合金組成と熱処理条件を検討し、強化機構についても検討を行うことを目的とした。強度増加が観察された400℃-24hで水素中時効処理後のCu-0.2Cr-0.5Zr-0.5 Ti合金のTEM暗視野像より、変調組織が観察された。この合金の強化機構がCu母相のスピノーダル分解によるものと考えられる。また、合金組織中にCu5ZrのほかTEM観察試料作製中にZrH2が酸化して生成したZrOも観察された。Cu母相中に固溶していたZrが、Cu5Zr やZrH2として析出し母相のCuの純度が増加することで導電率が増加したと考えられる。また、350~450℃-5~72hの条件で水素中およびAr中時効処理した試料の電気・機械特性を調査したところ、Ti添加することによりCu-Cr -ZrおよびCu-Ti系合金に比べ引張強度が増加した。また、水素中で時効された試料の方が、Ar中で時効された試料よりも導電率が大きい。Cu-Cr-Zr合金へのTi添加量が多いほど引張強度が増加する一方で導電率が減少した。400℃、24hの条件で水素中時効処理されたCu-0.2Cr-0.5Zr-0.2 Ti合金で比較的高い導電率と強度が同時に得られ、その特性は570MPa, 70%IACSであった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)