2013 Fiscal Year Annual Research Report
高信頼性ものづくりのための材料プロセスの損傷モニタリング
Project/Area Number |
23246124
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
榎 学 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70201960)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2015-03-31
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Keywords | 溶射 / コーティング / アコースティック・エミッション / ものづくり / レーザーピーニング / FSW |
Research Abstract |
極限的な環境下での構造物の信頼性を確保するために、材料の損傷・劣化を感度良く計測できるAE法を用いることが有効である。実用的な表面処理技術を用いたマテリアルプロセッシングに対して構造ヘルスモニタリングを行うためには、高感度のレーザーAEシステムの開発が是非とも必要となる。そこで、本研究では、新たに極限環境下にも適用可能なシステムの開発を目指し、このシステムを用いて表面処理技術の高信頼性化を目的とした。本年度は下記の成果を得た。 (1) プラズマ溶射中のプロセスモニタリング - 大気中でのプラズマ溶射中でのAE計測を圧電素子センサを用いた高感度AEシステムにより行った。雑音を除去することにより溶射中のAE事象を検出することが可能となった。また、雑音処理プロセスをGPUを用いて行うシステムを新たに開発した。波形処理速度の向上をするとができ、リアルタイムでの計測が実現できた。 (2) FSW中のプロセスモニタリング - Mg合金同士およびMg合金/Al合金異材接合におけるFSWによる接合中のAE計測を試みた。接合条件による接合状況の違いおよびAE発生挙動の違いが計測可能となった。多チャンネルセンサを用いることにより、損傷発生位置の同定が可能となった。これらの損傷発生部分は他の非破壊検査手法により確認でき、AEを用いたプロセスモニタリングの有効性を示すことができた。 (3)レーザーピーニング中のプロセスモニタリング - レーザーピーニングの際に発生するAEを検出し、レーザー出力等のプロセス条件をAE計測結果を対応させることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
新たな計測システムを開発することにより、プロセス中での高速の波形処理が実現できた。これらの計測手法を用いて、コーディング、FSW、レーザーピーニング中のプロセスモニタリングが可能となり、従来では得られない知見を得ることが可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに開発を行ってきた計測システムの改良を進め、より高速にプロセス中の損傷を解析可能なシステムの開発を行う。計測対象としては、これまで行ってきたコーティング、FSW、レーザーピーニングに加え、機械加工中のプロセスモニタリングに対しても適用範囲を拡大する予定である。
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Research Products
(23 results)