2012 Fiscal Year Annual Research Report
高分子電解質ブラシ上束縛水の挙動解明とイオン伝導性材料の開発
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23246126
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
齋藤 永宏 名古屋大学, グリーンモビリティ連携研究センター, 教授 (00329096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
是津 信行 名古屋大学, グリーンモビリティ連携研究センター, 准教授 (10432519)
上野 智永 名古屋大学, グリーンモビリティ連携研究センター, 助教 (20611156)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | メソポーラスシリカ / 表面修飾 / クラスター / ポリマーブラシ |
Research Abstract |
細孔内の空間特性を明かにするために、メソポーラスシリカ細孔内の空間特性の評価を行った。メソポーラスシリカ内の表面修飾技術、クラスター担持技術を確立することによって、細孔内の状態を調べた。メソポーラスシリカはアスペクト比が高く、細孔内の深部の表面状態やクラスターの担持が難しく、細孔の入口付近のみが主に利用されてきた。 そこで、我々は独自のソリューションプラズマ技術を用いて、細孔内の修飾技術を開発した。ソリューションプラズマは、プラズマ中から活性種として、HラジカルやOHラジカル等が発生する。これらは、ラジカルの中でも極めて小さな化学種であるため、細孔内部にまで移動し、表面修飾やクラスターの合成に奇与することが期待される。 本年度は、ソリューションプラズマを用いた表面修飾を行った。メソポーラスシリカに、水中でソリューションプラズマを発生させると、ソリューションプラズマによって表面が負に帯電することをゼータ電位測定の結果から明かにした。これは、ソリューションプラズマによって発生する活性種によって、表面の汚れの除去とOH基等の官能基の付与が起こったためと考えられた。 また、ソリューションプラズマによって生成したラジカルにより、金属イオンの還元を行うことができる。メソポーラスシリカの表面に銀イオンを吸着させて、ソリューションプラズマ処理を行うことで、クラスター細孔内に銀クラスターを合成することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細孔内の修飾技術の確立が進み、細孔内部の制御が可能になってきた。今後、これまで進めてきたポリマーブラシの合成技術と組み合わせて、さらなる研究の進展が見込まれる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究グループが開発を進めているソリューションプラズマ反応場を利用した、①細孔内ラジカル開始グラフト重合表面処理および②細孔内金属ナノクラスター生成で得られたメソポーラスシリカの機能性の評価を行う。 ①によって、細孔内の水の制御を行い、細孔内の水が分子フィルターや触媒特性などについて、どのような影響を及ぼすのかを明かにする。また、②によってシングルナノ空間に作られたクラスターがサイズ効果等によって新たな触媒性能を発現するかを明かにする。
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Research Products
(15 results)