2012 Fiscal Year Annual Research Report
界面構造設計した高機能化ナノ粒子の太陽電池デバイスへの応用
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23246132
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
神谷 秀博 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20183783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 幹夫 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00391342)
LENGGORO WULED 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10304403)
鮫島 俊之 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30271597)
飯島 志行 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70513745)
伊原 学 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (90270884)
伏見 千尋 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50451886)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2014-03-31
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Keywords | 色素増感太陽電池 / ナノ複合体 / ナノ界面設計 / 凝集分散制御 / コロイド化学プロセス / 離散要素法 |
Research Abstract |
微粒子、ナノ粒子の界面構造・機能設計法により分散性、配列性など自在に制御可能なナノ粒子、微粒子基盤技術と、固体接触型太陽電池、色素増感型太陽電池の各分野で先端的研究を展開している研究者と連携による高エネルギー変換効率など優れた特性を有する太陽電池デバイスの創成と、それに必要なナノ粒子分散・配列設計法の研究技術基盤を確立する基礎的検討を行なった。表面構造を制御した各種粒子を、コロイドプローブAFMによるナノ粒子間相互作用の測定結果と、導入した液中粒子分散状態評価システムとの比較により検討し、定量的なモデルの提案を試みた。また、離散要素法による流動挙動と粒子間相互作用の関係の定量的解析も分担者の酒井と実施した。 電池用部材への検討については、分担者の伊原らが開発したプラズモン効果を用いた色素増感型太陽電池用原料である表面修飾しながら合成したAgナノ粒子分散液を、市販TiO2ナノ粒子生成したTiO2基板に含浸し、色素を導入し分散状態を解析した。有機溶媒中での分散状態、界面構造と溶媒、TiO2塗膜中への銀粒子配列構造に及ぼす界面構造設計の影響を解析した。また、分担者の鮫島らが開発した「ITO粒子複合透明導電性接着剤による積層型太陽電池」作製に必要な積層電池間に挟まれる導電性接着剤層の機能向上のため、分散粒子として使用する粒子径制御を変え、耐熱性のあるシリカナノ粒子複合シリコーン樹脂への複合化に成功し、粒子濃度と樹脂の電気的性質を測定した。さらに希土類元素を含まない導電性、量子効果を有する半導体ナノ粒子を噴霧熱分解法による導電性微粒子の構造設計の可能性を、分担者のLenggoro、飯島の協力により検討した。また、炭素系ナノ物質の電池基材粒子表面へ大量析出法を検討するための反応装置の基本構造として、振動微粉流動層コールドモデルを試作し流動状態の解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ナノ粒子間力と濃厚粒子系でのスラリー挙動定量解析式、離散要素法によるソフトウエア構築、新規概念による繊維表面へのナノ粒子被覆した分散樹脂の合成の成功、プラズモン効果を発現する銀ナノ粒子の表面設計と電池の試作に成功するなど、当初想定した2年間の計画を超えた成果が得られた。これは、各分担者との基礎的検討を本課題の実施前から積み重ねた成果が現れたもので、具体的な成果物が挙がり、各テーマについて学会発表や、論文も掲載され始めている。
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Strategy for Future Research Activity |
本基盤研究を実施する前から、各分担者との議論を積み重ね、他の経費による基礎実験や、モデルの検討を行なっていたことが、本基盤研究の採択により加速的に成果となって論文等の形で結実しつつある。基本的な解析ツール、モデリングプログラム、粒子表面設計法と電池部材への基礎的な関係が解明されてきたので、今後も、研究計画通り推進していくことが重要と考えられる。
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