2012 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギー密度のワイヤレス給電のためのミリ波放電現象の解明
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23246145
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小紫 公也 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (90242825)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | エネルギー / ミリ波 / ワイヤレス給電 / プラズマ / 放電 |
Research Abstract |
ミリ波電磁ビームを用いた高エネルギー密度なワイヤレス伝送と,その航空宇宙応用の可能性を探求するための小型軽量な受電、エネルギー変換システムの開発を目的とし、以下の3つの課題について研究を行った。 (1) 自由空間で10メートル離れた距離をほとんど発散することのなく伝送できるミリ波ビームを形成するため、ジャイロトロン発振器出口(導波管出口)の横モードを修正する機能を備えた位相変換ミラー系(凹面鏡と凸面鏡の対)を設計・製作し,直径24センチメートルで発散角が2度以下のビームを作ることに成功した. (2)光線追跡法を用いて24センチメートル径のビームを4センチメートル径のデトネーション管に集光するための、長手方向に短いテーパ管を設計し,高出力ミリ波ビームをデトネーション管内にうまく導くことに成功して、プラズマ着火,デトネーション駆動および圧力上昇発生に至った.しかしながら、テーパ管での集光後は、中心軸上に非常に強い電力密度ピークが形成されたため、それに駆動されたデトネーション波伝播速度が上昇し、反比例して流体の単位質量あたりの加熱率が下がるとともに、繰り返しパルスを照射した場合には、後続のパルスで管入口付近における異常点火が観測され、対策を要する。 (3)ミリ波放電モデルの数値シミュレーションに関しては、我々の行った比較的低電界強度での実験とマサチューセッツ工科大学で過去に行われた高電界強度での実験の両方の電離波面伝播速度を再現することのできる電離モデルを提案し、電界強度と拡散係数をパラメータとして、放電フィラメントがビームに垂直に展開する条件とビームに平行に進展する条件を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ビーム制御・伝送技術に関しては、ほぼ目的を達成した。再集光部は、変換器管内にビームを導くことには成功したが、集光後の電力分布の均一化が今後の課題である。ミリ波放電の数値シミュレーションは、基礎となる電離モデルを提案することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
より均一な電力密度分布が得られる再集光テーパ管の開発に関して、光線追跡法によるシミュレーションで設計を支援し、昨年度購入した定常低電力94GHzのミリ波発振器を用いた実験により性能を検証することを計画している。 また、ミリ波放電の数値シミュレーションに関しては、速い計算機を用いてより規模の大きなシミュレーションを行う。
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Research Products
(24 results)