2012 Fiscal Year Annual Research Report
大波高下における浮体構造の崩壊挙動解析法の開発と応用に関する研究
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23246150
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤久保 昌彦 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30156848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳原 大輔 愛媛大学, 理工学研究科, 寄附講座准教授 (10294539)
岡澤 重信 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10312620)
飯島 一博 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50302758)
田中 義照 独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (40373419)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 船体構造 / 逐次崩壊解析 / 最終強度 / 流体構造連成 / プリポスト / 水槽試験 / 有限要素法 / 海洋構造物 |
Research Abstract |
(1)Smith 法を導入した曲げ捩り梁要素とプリポストの開発:平成23年度に開発した曲げ捩り要素では、縦曲げと曲げ捩りによる軸応力下の降伏条件に剪断応力を考慮する形で、せん断影響を考慮したが、厳密にはせん断力による弾塑性そり変形も考慮した上で、上記影響を加味するべきである。そこで、せん断応力によるそり変形を考慮できるよう、断面自由度を与える定式化について基礎的検討を行った。これを次年度にプログラム化して解析法を改良する。つぎに、船体横断面の形状、材料特性、初期不整の入力と、結果処理の効率化のため、専用プリポストプログラムを開発した。結果処理では、最終強度だけでなく、崩壊モードや応力分布を容易に把握可能である。 (2)ISUMと拡張梁要素の結合:この結合により拡張梁要素では考慮できない局所的な弾塑性挙動を評価可能であり、プログラムの改良を行ったが、両モデル間の境界条件処理が複雑になることと、ハルガーダの縦最終強度を追跡する上では、(1)の拡張梁要素のみの方が圧倒的に効率で上回るため、(1)のモデルに注力することにした。ISUMは、最終年度に拡張梁モデルの結果と比較の予定である。 (3)コンテナ船のビルジサークル等に適用すべく、曲面防撓パネルの平均応力~平均ひずみ関係を解析した。 (4)横断面(1フレームスペース)あるいは数ホールドの範囲を取り出してシェル有限要素モデルによる陽解法解析を行った。この結果を、拡張梁モデと較したが、後者はせん断変形が考慮されていないため、有限要素法よりも高めの剛性となった。平成25年度は、この点を改良の予定である。 (5)水槽試験の実施:平成23年度に製作した2剛体と回転ヒンジからなる水槽模型について、集中波による瞬時折損試験と落下荷重による繰り返し折損試験を実施した。拡張梁要素による準静的解析結果は、ホイッピング応答周期のレベルでは良好な一致を見た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、(1) 曲げ/剪断/捩りの複合荷重下の船体桁の効率的な逐次崩壊解析法の開発、(2) 構造変形と流体力の相互作用を考慮した船体桁の非線形動的応答解析法の開発、(3)水槽模型による提案手法の妥当性の検証、(4) 開発した解析ツールの船舶および浮体式海洋構造物への適用にある。 これらの内、(1)については、静的解析モデルについてプログラムコードの開発、プリポストソフトの開発が終わり、今後、せん断変形の導入を残すのみである。一方、(2)については、二剛体・回転ヒンジ模型については動的解析法を構築し、(3)の実験を実施して、解析法の基本的な適用性を検証した。しかし船体の動的弾塑性応答解析のためのプログラムの開発はこれからである。また(4)の実構造物の適用もこれからである。 現在までの達成度は6割程度である。平成25年度は、解析プログラム開発をすべて終わる目標で、さらに密度濃い成果創出を出して行く予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)当初目標は、構造解析モデルとして、ISUM(理想化構造要素法)とSmith法に基づく拡張梁要素の二つを開発目標としたが、船舶・海洋構造物で第一義的に重要となる、船体桁あるいは骨組としての全体最終強度の解析は、後者が実用的手法としてより優れているため、本課題では、今後は後者の拡張梁モデルに集中する。 (2)本来の目的である、弾塑性変形と流体力の連成解析部分の開発を急ぐ必要がある。2剛体・ヒンジモデルについては非線形流体力解析との連成解析を既に実施済みであること、また戦隊構造のモデル化については、既に静的解析が目処に立っていることから、これらを組み合わせることで、十分成果達成可能と考える。 (3)昨年度開発したプリポストプログラムを研究分担者にも配り、全体としての研究推進の効率化を図る。
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Research Products
(2 results)