2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヒートアイランド現象の抑制を目指した冷房排熱の帯水層処分システムの実用化
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23246155
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤井 光 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80332526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井岡 聖一郎 弘前大学, 北日本新エネルギー研究所, 准教授 (40598520)
吉岡 真弓 独立行政法人産業技術総合研究所, 地圏資源環境研究部門, 研究員 (10575492)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 地中熱利用 / 地下水 / サーマルレスポンス試験 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
1. 複数の帯水層を有す地盤での長期排熱試験 青森県黒石市に青森県産業技術センター内の複数の帯水層が存在する地盤において,深度80mの試験井を掘削し,ストレーナ仕上げとした。地下水の流向流速測定を外注により実施したところ,深度80m付近の帯水層から深度30m付近の帯水層に向けて0.1m/minの地下水のクロスフローが存在することがわかった。そこで,同坑井において熱負荷およびU字管本数を変化させて計4回のTRTを実施し,熱媒体温度および坑井内温度データを収集した。その結果,地下水のクロスフローにより熱媒他温度の上昇が抑えられ,熱交換井の能力が増進することがわかった。また,熱交換井の断面積によりクロスフローの流量が決まるため,同坑井ではシングルU字管とダブルU字管が同程度の能力を発揮するということがわかった。 2. 弘前平野における地下水フィールド調査と広域地下水流動系モデリング 観測井,民間の井戸,湧水および河川水を対象に,温度測定および水質分析のための採水を行った。温度測定はデジタルサーミスタ温度計(分解能0.01℃)を用いて,深度2m間隔で測定した。水質分析は現地にて水温,pH,電気伝導率を,産総研にて主要溶存成分濃度を測定した。次に地下水調査結果および既存の地質情報に基づき,地下水・熱輸送モデリングソフトFEFLOWを用いて弘前平野および周辺山地の地下水流動系を再現する広域モデルを構築し,観測井における地下水位・水温の測定値および地下水流向流速測定の結果を用いてモデルを検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
弘前平野における2地点でクロスフローの影響を受けた熱交換井のTRTを実施し,フロスフロー流速と冷房排熱の地層処分の可能性について有用な知見を得ることができた。また,地下水の広域流動系モデリングでは,フィールド調査と数値計算を80%程度終了し,良好な結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
山形市におけるクロスフローが存在する地盤においてTRTを実施し,冷房排熱の地層処分に関するデータをさらに蓄積する予定である。また,弘前平野において構築した数値モデルを用いて,同平野における排熱可能量を定量的に検討する予定である。
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Research Products
(10 results)