2012 Fiscal Year Annual Research Report
2次元乱流ダイナミクス観測のための多波長超多点観測法の開発
Project/Area Number |
23246162
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤澤 彰英 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (60222262)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | プラズマ乱流 / 核融合学 / 帯状流 / 2次元ダイナミクス / トモグラフィ / X線シンチレータ / 蛍光ガラス / 多波長多チャンネル |
Research Abstract |
H23年度、多チャンネルシステムの試作品が完成し、H24年度に九州大学の直線装置PANTAにおいて、全128チャンネルからなる多点計測システムがほぼ完成している。このシステムは、赤外光、可視光(x2)、紫外光の4波長領域を観測でき、45度ずつ離れた4方向の視点から、それぞれ33チャンネルの視線(計132チャンネル)が見込めるようになっている。H24年度、このシステムが実質的に稼働可能とし、アルゴンプラズマを用いた48チャンネルの同時計測に成功した。トモグラフィー解析法としては、ART法をはじめとするいくつかの方法が試され、可視光(ArIIライン 青)において初期的なプラズマの断層図が得られるに至っている。また、ハードウェアの開発としては、光電圧変換アンプについては10^8 V/Aの変換効率をもったアンプの開発に成功し、それぞれのチャンネルから得られる信号については十分なSNで揺らぎを観測することに成功した。一方、X線や紫外光の検出方法については、可視光に変換した後、ファイバーにより伝送する方法を開発中である。QUESTプラズマでの試験に結果ではX線の検出に成功している。紫外線については、PANTAから十分な発光強度が得られなかったため今後の課題となっている。最終的にH24年度のうちに64chチャンネルの同時観測が可能となっている。H25年度には132chが可能な状態となり、直線プラズマ装置PANTAにおいて本格的なトモグラフィー計測を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の予定として、平成23年度に作成した多波長超多チャンネルシステムの構成要素を組上げ、直線装置PANTAにおいて、全128チャンネルからなる多点計測システムがほぼ完成している。また同システムにおいて、トモグラフィー用観測の動作テストを行った。アルゴンおよびネオンプラズマにおいて、青(ArII)、赤(NeI)。赤外(ArI)、紫外(NeII)などの光の波長領域において観測を行い、紫外領域以外、良好な観測結果を得ている。紫外については、直線プラズマからの発光強度が弱く、プラズマからの観測は現有のアンプのゲイン 10^8 V/Aでは検出感度以下である。閉じこめプラズマからの紫外線を対象とした試行を近い将来行う予定である。直線プラズマに関しての測定では、もっとも良好なシグナルが得られているArIIの青を用いてトモグラフィーを64chの検出器を用いて行い、トモグラフィーによるプラズマの構造の推定に成功している。また、トモグラフィーの解析についてもART法、逐次近似法や関数展開法を用いたアルゴリズムの開発が順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの準備圏で開発してきたシステムに根本的な問題はなく、適切に対象とするプラズマや観測波長領域を選択することで十分に実用に供することが示されてきた。本年度は、この直線プラズマ装置に設置したシステムを用いた多波長超多点空間観測法の開発およびプラズマの実測を主として行う。以下の観点から継続する。1)PANTAプラズマから良好な発光強度の得られてるArIIライン(青色)について、132チャンネル同時計測、2)同時に、これまで開発してきたトモグラフィーの解析法を並列計算アルゴリズムに組み直し、さらに発展させる、そして、3)開発した並列計算アルゴリズムを用いた実データによるプラズマ断面画像の時間発展解析を実現する。また、将来の更なる多チャンネル化に対して、光変換アンプの小型化を検討し推進する。また、3年間のハードウェアおよびソフトウエアの開発を中心に成果を取りまとめる。また実データ解析に基づく物理実験結果を論文として纏める。特に研究実施上の問題は生じていない。
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