2011 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内のX線トレーサーの動態をミクロンの解像力で観察するRIイメージング法の開発
Project/Area Number |
23246167
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石井 慶造 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00134065)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 浩道 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (00166654)
寺川 貴樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10250854)
松山 成男 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70219525)
人見 啓太朗 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 准教授 (60382660)
菊池 洋平 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50359535)
|
Keywords | 放射線工学 / ビーム科学 |
Research Abstract |
本研究ではミクロンRIイメージング法とこの原理を元にしたイメージングシステムを開発する。平成23年度では、1)幾何的条件および機械的条件の検討、2)X線CCDカメラの性能評価、3)システム構成要素の基礎設計を行った。 1)ミクロンの解像力には、X線CCDカメラ・ミクロンピンホールコリメータといった構成機器と測定対象の配置を適切に設定した上で、コリメータ(材質:W)の穴径/厚さで決定する視野範囲・バックグランドなどを最適化する必要がある。このため、システムを模擬したシミュレーションによる検討を行った。これにより、視野中心の感度はコリメート厚さに依存せず、また、視野範囲はほとんどの幾何配置条件において一定となることが分かった。これは、厚さによって視野が顕著に変化するとの予想に反したものである。同様にバックグランドを低く保つには厚さ1ないし2μmでは不十分との結果も得られており、前述の結果は厚さを5μm程度と穴径に比較して厚くすることの有効性を示したものである。 2)X線CCD撮影画像の画素値には放射線によって誘起された電荷量のほか、暗電流ノイズ・読み出しノイズという不可避な雑音を含む。X線検出信号をこれらと分離するには十分なノイズ特性とエネルギー分解能が必要となる。鉄55線源を使用してエネルギースペクトルを取得して前述の信号/雑音の分離特性の調査を行ったところ、ノイズとX線が十分な分離を示すことが確認された。また、暗電流ノイズは露光時間に比例して増大するが、X線の統計量確保に必要な測定時間内ではほぼ影響しないことが分かった。 3)コリメータとして有望な5μm程度のW膜は単体では形状を保つことはできない。このため、微細加工技術によって穴をあけたSi板上にW膜を形成する手法の基礎的な検討を行った。基板全面への蒸着膜形成は厚さや材質の観点から基板にそりを生じさせる可能性があり、このため穴周辺のみに蒸着を施すべきとの見解を得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の研究目標は平成24年度に達成を目指す二次元イメージングシステムの製作とこれを用いた高解像力でのイメージングである。これまでの研究の進展と得られた知見を考慮した場合、システム作製の準備状況に問題は無く、上記の達成についての見通しは十分にあるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
ミクロンRIイメージングシステムのハードウェア・ソフトウェアの開発は当初予定に従って進めていく方針である。測定対象中のトレーサー分布の深さ情報を取得し三次元画像を取得するための震度情報解析アルゴリズムの開発が研究計画の後半に予定されている。こちらに関しては、基本的な開発を当初予定に先んじて行うことを検討している。また、完成したシステムの応用に関して、生物・農学分野の外部研究者との議論をアクティブに進めるkとを予定している。
|
Research Products
(4 results)