2012 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内のX線トレーサーの動態をミクロンの解像力で観察するRIイメージング法の開発
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23246167
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石井 慶造 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00134065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺川 貴樹 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10250854)
菊池 洋平 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50359535)
人見 啓太朗 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 准教授 (60382660)
松山 成男 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70219525)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 放射線工学 / ビーム科学 |
Research Abstract |
動植物の生体中の鉄などの金属元素は発育などに強く関与しており、それらの細胞中での動きが観察できれば、細胞レベルで且つ分子化学・遺伝子学的にその役割が解明できることが期待される。本研究ではこれらの研究分野の発展に寄与する数ミクロンの空間分解能で検出が可能な数keV のX線を放出する核種をトレーサーとして、ピンホールカメラの原理およびX線CCDカメラを組み合わせた高空間分解能のミクロンRIイメージングシステムを開発する。 平成24年度においては開発第一段階(後期)の研究として、以下の技術開発を行った。 1) ミクロンピンホールコリメータ金属膜の開発: ピンホールコリメータの材料としては、小さな厚み(数μm)でもX線に対して十分な遮蔽効果を持つ重金属が適している。一方で、このような金属薄膜は単体で構造を保てない。このため、半導体微細構造技術を応用して、支持体となるシリコンウエハ上に重金属膜を形成することで、ピンホールコリメータの製作を行った。膜材料として加工性と遮蔽性能を考慮したうえで金を採用した。さらに、支持体であるシリコンウエハにも異方性エッチングによってテーパーを持ったピンホールを形成することで、その上にメッキによって形成された厚さ4μmの金薄膜のピンホールに加えて遮蔽体の一部として機能させる設計とした。複数のピンホールの形成を行い、直径9~13μmのピンホールの製作に成功した。 2)二次元イメージングシステムの開発: ①X線CCDカメラを使用したX線計測システム、②製作したピンホール、③これらを支持するゴニオステージシステム(測定幾何条件の調整用)を組み合わせることで二次元イメージングシステムの開発を行った。この性能を評価するため、Fe-55線源を利用したイメージング実験を実施し、これによって、製作したピンホールコリメータが高分解能のイメージングに有効であることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
4年間の本研究計画のうち、平成24年度はRIイメージングシステムを原理的・装置的に構築する第1段階の後期に相当する。研究開発を通して、当初の予定通り2次元イメージングシステムを構築することに成功している。このため、本研究開発は順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25、26年度は研究後期の第2段階に相当する。第2段階では深度情報を含む画像取得法の開発、および、この技術をイメージングシステムに組み込んだ実用化実験を行う予定である。平成24年度までの第1段階の研究開発によって得られた技術はこれらを実施するのに十分であり、今後も当初計画通り推進していく考えである。
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Research Products
(5 results)