2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23246168
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
勝村 庸介 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70111466)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 久明 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00334318)
室屋 裕佐 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (40334320)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 水化学 / 水の放射線分解 / パルスラジオリシス / モンテカルロ計算 / 水和電子 / OHラジカル / スパー反応 / 高温水・超臨界水 |
Research Abstract |
本研究は、(1) 放射線反応のダイナミックな反応過程の観測、(2) 水素臨界濃度の機構解明、(3) 10B(n,α)7Liによる高温水分解評価、の三つの柱で進めており、それぞれについて進捗状況を報告する。 (1)新しいレーザーシステムを導入し、超高速パルスラジオリシスのシステムの更新をおこなった。従来に比べて、安定で、非常に使用しやすいシステムとなった。これにより、実験が格段に進展している。年度末までに、これまで高温水の実験は400℃までの測定であったのに対し、420℃に拡大してデータ取得に成功している。高温でのメタノール、エタノールの超高速パルスラジオリシスを実施し、多くのデータを取得した。現在データの解析を進めている。これにより、高温水、メタノール、エタノールを含む、高温の媒体での放射線反応の全容を把握したい。 (2)水素抑制機構については論文として、投稿受理された。この過程で新たな問題として、幾つかの機関で使用している計算コードの比較の検討、PWRでの水素添加量の下限値の評価のための計算シミュレーションをすすめた。その結果、H + H2O -> OH + H2の反応速度定数が結果を大きく支配する必要があること、この定数については信頼できるデータが存在しないことが判った。現在、この反応を我々のシステムで決定するための実験を開始した。その結果、使用する水の純度が重要であることが判明し、超超純水を用意し更なる実験の準備に入っている。 (3)モンテカルロ計算については結果が出てきたが、その信頼性評価を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調で、(1), (2) の当初の目標は達成できているが、研究の進展に伴い新たな課題が出現し、大きく展開している。 最終年度に向けて研究を加速している。
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Strategy for Future Research Activity |
以下の二点、大きな課題を想定している。 (1)H + H2O -> OH + H2の反応速度定数の実験的な決定 既に予備実験は二度実施し、実験で障害となる問題点は明確になった。 (2)モンテカルロ計算の最終のまとめ。 結果の精度、信頼性を評価する必要であり、もうひと頑張りである。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Time-dependent yield of the hydrated electron in subcritical and supercritical water studied by ultrafast pulse radiolysis and Monte-Carlo simulation2012
Author(s)
Muroya, Y., Sanguanmith, S., Meesungnoen, J., Lin, M. Z., Yan, Y., Katsumura, Y., Jay-Gerin, J. P.
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Journal Title
Physical Chemistry Chemical Physics
Volume: 14
Pages: 14325-14333
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] On the spur lifetime and its temperature dependence in the low linear energy transfer radiolysis of water2012
Author(s)
Sanguanmith, S., Meesungnoen, J., Muroya, Y., Lin, M. Z., Katsumura, Y., Jay-Gerin, J. P.
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Journal Title
Physical Chemistry Chemical Physics
Volume: 14
Pages: 16731-16736
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Mechanism of radiation-induced reactions in aqueous solution of coumarin-3-carboxylic acid: Effects of concentration, gas and additive on fluorescent product yield2012
Author(s)
Yamashita, S., Baldacchino, G., Maeyama, T., Taguchi, M., Muroya, Y., Lin, M. Z., Kimura, A., Murakami, T., Katsumura, Y.
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Journal Title
Free Radical Research
Volume: 46
Pages: 861-871
Peer Reviewed
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