2011 Fiscal Year Annual Research Report
輝度変換による太陽エネルギーの金属への高効率蓄積に関する研究
Project/Area Number |
23246176
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内田 成明 東京大学, 総括プロジェクト機構, 客員教授 (20260177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 雅裕 大阪大学, 接合科学研究所, 准教授 (90273713)
佐藤 雄二 東京工業大学, イノベーション研究推進体, 特任助教 (40422547)
矢部 孝 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60016665)
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Keywords | レーザー吸収分光 / 原子線吸収係数 / マグネシウム蒸気 / アーレニウス型反応 / 再生可能エネルギー / 金属燃料物質 |
Research Abstract |
酸化マグネシウムをレーザーで加熱し還元されたマグネシウムの蒸気密度をレーザー吸収分光法で測定に適したレーザー波長を特定した。従来中性原子の密度を測定する吸収分光法で用いられるマグネシウム吸収波長では吸収係数が大きすぎるため、本研究で対象とするマグネシウム蒸気面密度10^<19>[atom/cm^2]では吸収が飽和する。そのためより吸収係数が小さなマグネシウムの特性線を調査し、その波長(プローブ波長)で発振するレーザー素子を見出した。また、吸収分光法で対象原子密度を定量的に測定するためには吸収線幅に適合した十分に狭いプローブ光の発光線幅が必要である。この条件を満たすために半導体レーザーに温度制御と電流制御を施し、さらに出力波長を波長計によりモニターすることにより所要の波長と線幅が実現する測定系を構築した。 この測定系は本研究の目的である酸化マグネシウムのレーザー加熱還元において還元率を定量的に測定するために必要不可欠な要素である。この測定系により酸化マグネシウムのレーザー照射点からマグネシウム蒸気プルーム内に存在するマグネシウム原子密度を定量的に把握することにより、マグネシウム回収率を決定する再酸化現象を詳細に把握することができる。この計測により本研究の基礎となっているアーレニウス型マグネシウム蒸気再酸化モデルの適用性を確認する基盤が確立する。 本研究の最終目標は発生したマグネシウム蒸気と酸素ガスの再結合を抑えるためにガスの温度制御を行い、マグネシウムの回収率を最大化することである。そのために温度制御ガスの利用を試みるが、ガス種、流路配置、流量および流速などをパラメータとして、再酸化抑止効果を定量的に把握することにより研究目標を達成するための一つのステップを実現できたといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画の最初の目標であるマグネシウム蒸気密度計測手装置の開発が完了し、最初のマイルストーンを通過した。一方、マグネシウム蒸気発生装置である真空容器の開発が予定より数ヶ月遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
マグネシウム蒸気発生装置の製作に取り掛かり、蒸気計測法の較正を行い蒸気密度定量測定手法を完成させる。この手法を実際のレーザー加熱還元マグネシウム蒸気に適用し、酸素との再結合の状況を測定し、本研究の最終目的である温度制御ガスによるマグネシウム回収率最大化の可能性を検証する。
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Research Products
(4 results)