2012 Fiscal Year Annual Research Report
輝度変換による太陽エネルギーの金属への高効率蓄積に関する研究
Project/Area Number |
23246176
|
Research Institution | The Graduate School for the Creation of New Photonics Industries |
Principal Investigator |
内田 成明 光産業創成大学院大学, 光産業創成研究科, 客員教授 (20260177)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 雅裕 大阪大学, 接合科学研究所, 准教授 (90273713)
BAGHERI BEHGOL 東京大学, 学内共同利用施設等, その他 (70615541)
大久保 友雅 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (50431995)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 再生可能エネルギー / 原子線吸収係数 / マグネシウム蒸気 / アーレニウス型反応 / レーザー吸収分光 / 金属燃料物質 |
Research Abstract |
酸化マグネシウムをレーザーで加熱し還元されたマグネシウムの蒸気密度をレーザー吸収分光法で測定に適したレーザー波長を特定した。従来中性原子の密度を測定する吸収分光法で用いられるマグネシウム吸収波長では吸収係数が大きすぎるため、本研究で対象とするマグネシウム蒸気面密度1019[atom/cm2]では吸収が飽和する。そのためより吸収係数が小さなマグネシウムの特性線を調査し、その波長(プローブ波長)で発振するレーザー素子を見出した。また、吸収分光法で対象原子密度を定量的に測定するためには吸収線幅に適合した十分に狭いプローブ光の発光線幅が必要である。この条件を満たすために半導体レーザーに温度制御と電流制御を施し、さらに出力波長を波長計によりモニターすることにより所要の波長と線幅が実現する測定系を構築した。この測定系は本研究の目的である酸化マグネシウムのレーザー加熱還元において還元率を定量的に測定するために必要不可欠な要素である。この測定系により酸化マグネシウムのレーザー照射点からマグネシウム蒸気プルーム内に存在するマグネシウム原子密度を定量的に把握することにより、マグネシウム回収率を決定する再酸化現象を詳細に把握することができる。この計測により本研究の基礎となっているアーレニウス型マグネシウム蒸気再酸化モデルの適用性を確認する基盤が確立する。本研究の最終目標は発生したマグネシウム蒸気と酸素ガスの再結合を抑えるためにガスの温度制御を行い、マグネシウムの回収率を最大化することである。そのために温度制御ガスの利用を試みるが、ガス種、流路配置、流量および流速などをパラメータとして、再酸化抑止効果を定量的に把握する実験装置を設計、製作した。これにより研究目標を達成するための一つのステップを通過した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マグネシウム蒸気と酸素の混合気相を発生し、そのマグネシウム濃度を吸収分光により測定することにより再酸化の特性を明らかにするとともに、マグネシウム凝縮器により液体マグネシウムを捕集する実証実験を行う開発研究を進めている。当初は蒸気発生、濃度測定、凝縮を一つの装置で行う予定であったが、凝縮の部分を分離して実証する計画に変更した。そのため凝縮器の設計を修正したため、製作が遅れている。 その後、マグネシウムの加熱蒸発装置、凝縮装置を設計、製作し完成した。現在研究期間を延長し、蒸発実験及び吸収分光実験の準備を行っているところである。
|
Strategy for Future Research Activity |
マグネシウム蒸気発生装置の製作に取り掛かり、蒸気計測法の較正により蒸気密度定量測定手法を完成させる。この手法を実際のレーザー加熱還元マグネシウム蒸気に適用し、酸素との再結合の速度を測定し、本研究の最終目的である温度制御ガスによるマグネシウム回収率最大化の可能性を検証する。 また、蒸気凝縮装置を完成させ、酸化マグネシウムを還元し生成したマグネシウム蒸気から単体マグネシウムを取り出す実証実験を行う。
|
Research Products
(6 results)