2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23247008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
橋本 隆 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (80180826)
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Keywords | 微小管 / 重合核複合体 / アラビドプシス / MOZART |
Research Abstract |
1.動物MORZART1のアラビドプシスorthologs (MZT1a,MZT1b)のT-DNA挿入機能破壊株は単独では表現形はなかったが、両者の二重変異株は胚性致死であった。機能的なMZT1a-GFP又はGFP-MZT1aをを用いてMZT1a含有複合体をアラビドプシス植物体から精製したところ、gTuRC因子GCP2,GCP3と同様の構成サブユニットが同定されたが、GCP2/3含有精製複合体に含まれていたNEDD1制御サブユニットは含まれていなかった。MZT1a-GFPの細胞内局在性は、M期ではGCP2/3と良く似た局在性を示した。間期では、GCP2/3と同様に表層微小管上に出現し、速やかに娘微小管を形成したが、GCP2/3とは異なり、微小管が存在しない細胞膜上には出現しなかった。詳細な動態観察結果より、GCP2/3を含むgTuRCの一部として、微小管重合活性が昂進したMZT1含有gTuRC集団が存在することが示唆された。 2.植物特有の微小管重合調節因子を検索するために、アラビドプシス培養細胞から微小管付随タンパク質画分を高度に精製し、この画分に濃縮されているタンパク質をプロテオミクス法により網羅的に同定した。高度に濃縮されている機能未知のタンパク質:20種について、それらのGFP融合タンパク質を微小管赤色標識アラビドプシス系統において一過的に発現させたところ、1種類の微小管付随タンパク質(t77と呼ぶ)が微小管重合核に局在を示し、このt77-GFPで標識された箇所から新規の微小管が誕生することが判明した。t77遺伝子はアラビドプシスゲノムに2コピー(t77aとt77b)あり、t77aのヌル変異株は野生型と区別できない。t77bのT-DNA挿入株はC末端のみが欠失した変異株のみ入手可能であり、これらの二重変異株は特に目立った表現形を示さなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
活性をもつ微小管重合核複合体の精製には成功していないが、新規微小管重合核構成成分の同定と機能解析は順調に進行した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.微小管重合核複合体 微小管重合核複合体にはMORZART1を含むサブ複合体とNEDD1を含むサブ複合体の少なくとも2種類の集団が存在する可能性を追求するために、MORZART1複合体とNEDD1複合体をそれぞれ植物細胞から精製し、それぞれの複合体の構成因子を同定する。また、MORZART1とNEDD1を異なる蛍光タンパク質で標識し、細胞内でそれぞれが同一複合体に局在するかどうかを調べる。 2.新規複合体構成因子 新規の微小管付随タンパク質T77はアラビドプシスゲノムに2つ遺伝子が存在する(T77a,T77b)ため、二重遺伝子破壊変異株を作製し、微小管関連(特に重合開始)の異常を示すかを調べる。また、T77が植物細胞内で微小管重合核複合体を形成するか否かを、T77含有複合体またはT77相互作用タンパク質を調べることにより、明らかにする。
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Research Products
(1 results)