2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23247009
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
新免 輝男 兵庫県立大学, 生命理学研究科, 教授 (80114510)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 悦雄 兵庫県立大学, 生命理学研究科, 助教 (80212299)
|
Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2015-03-31
|
Keywords | 小胞体 / RHD3 / カルシウムイオン / GTP / エクオリン |
Research Abstract |
シロイヌナズナ培養細胞MM2dから調製した小胞体画分に、GTPを加えチューブ形成が誘発される条件下と、GTPを加えないチューブ形成が誘発されない条件下で、化学架橋剤EGSにより化学架橋を行ったところ、誘発条件下では抗RHD3抗体と反応する分子量240-kDaの架橋産物が検出されたが、非誘発条件下ではほとんど検出されなかった。おもしろいことに、GTPの非加水分解アナログであるGTPγSではチューブ形成は起らないが、架橋産物は形成された。この結果は、動物のアトラスチン同様、RHD3の複合体形成はGTPの結合により引き起こされ、GTPの加水分解は必要でないことを示唆している。また、架橋をDTTにより切断可能な化学架橋剤DSP で処理しても、EGS同様RHD3の架橋産物が得られる。これを抗RHD3で免疫沈澱後、電気泳動した架橋産物の240-kDaバンドに含まれている成分を質量分析によって解析したところ、RHD3しか検出されなかった。 今までのin vitroにおけるチューブ形成系において、膜融合やチューブ伸長は、ER-トラッカーなどでラベルした小胞体膜を蛍光顕微鏡で観察することにより評価してきた。しかしこの方法では、観察する視野の選択などに主観性が生じやすい、また定性的な評価になりやすいなどの問題があった。そこでこれらの現象を定量的に評価するために、融合時におこるCaイオンの放出をエクオリンの蛍光強度変化をルミノメーターによって検出したVoeltz et al. (2006; Cell, 124: 573-586)の方法を試みた。膜融合が起こりチューブが形成される条件下では高い蛍光強度変化が検出され、この変化はRHD3の機能阻害抗体によって抑制された。従ってこの方法により、膜融合を定量的に評価することが可能となり、来年度以降の研究に用いていく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
化学架橋法によって、小胞体チューブ形成時にRHD3が複合体を形成することを明らかにした。また膜融合やチューブ形成を定量的に評価、解析できる手法を確立した。しかし、複合体中に含まれる成分が本当にRHD3だけなのかどうか、確認することが出来なかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画通り推進していく予定である。しかし上述した疑問を解決するためには、別の方法も用いて複合体成分を同定する必要にせまられた。そこで25年度以降は、GFP-RHD3が発現しているシロイヌナズナ植物体から調製した小胞体画分を用いて、抗GFP抗体による免疫沈抗法によりRHD3と相互作用する成分を同定していく予定である。
|
Research Products
(10 results)