2013 Fiscal Year Annual Research Report
階層を登る1分子生理学-分子内、1分子そして細胞へ-
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23247022
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
樋口 秀男 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90165093)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ダイニン / 細胞 / 力 / 変位 |
Outline of Annual Research Achievements |
ダイニンが運動するためには、ダイニンがATPを加水分解して,パワーストロークを行うと考えられている。したがって,ダイニンの運動メカニズムを理解する上で重要である, ダイニン1分子のパワーストローク測定を目的として,ダイニンの精製やその他の試料を作製し, 顕微鏡装置を構築した. 単頭ヒトダイニンをSF9細胞にて発現・精製を行った。このダイニン分子をポリスチレンビーズに結合して、このダイニンと微小管を相互作用させるために、微小管の両端にレーザートラップされたポリスチレンビーズを結合した。 測定の結果, トラップビーズの変位の標準偏差の値を定量的に評価することで, ダイニンと微小管が結合する位置を特定できた. 本実験では, ダイニンはパワーストロークにより運動する距離を2.1±1.0nm (誤差はSE)と算出した.ダイニンと微小管が結合する時間は, 5μM ATP存在下で65ミリ秒であり, ATP濃度がミカエレスメンテン式な依存を示すと仮定した場合のダイニンのATP結合に関する2次の反応速度定数は3.1/(μM・sec)と算出された. 本研究の実験結果より, ダイニンは以下のような歩行運動モデルで運動すると推定した. 一方のダイニンheadが微小管から解離している間に, 他方のダイニンheadはパワーストロークを発生し, 微小管のマイナス方向に2.1nm運動する. その後, 微小管から解離してブラウン運動するダイニンheadは, 微小管と結合する位置までさらに6.1nm運動したのち結合する. このサイクルがダイニン1ステップに伴う重心移動, つまり歩幅8.2nm= 2.1+6.1nmに相当すると考えられる. 本研究で得られたダイニンのパワーストローク発生に伴う運動は, ダイニンの運動機構をさらに深く理解する上で今後重要となるであろうと思われる.
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Single quantum dot tracking reveals that an individual multivalent 2 HIV-1 Tat-protein transduction domain can activate machinery for 3 lateral transport and endocytosis.2013
Author(s)
2.Yasuhiro Suzuki, Chandra Nath Roy, Warunya Promjunyaku, Hiroyasu Hatakeyama, Kohsuke Gonda, Junji Imamura, Biju Vasudevan Pillai, Noriaki Ohuchi, Makoto Kanzaki , Hideo Higuchi, and Mitsuo Kaku.
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Journal Title
Mol. Cell Biol.
Volume: 33
Pages: 3039-3049
DOI
Peer Reviewed
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