2011 Fiscal Year Annual Research Report
2つのRecAホモログRad51、Dmc1の集合反応の分子レベルでの統括的理解
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23247029
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
篠原 彰 大阪大学, たんぱく質研究所, 教授 (00252578)
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Keywords | 組換え / 染色体 / 減数分裂 / RecAホモログ |
Research Abstract |
DNA相同鎖検索反応は、組換えの根幹をなす相同検索反応を真核生物ではRecAのホモログRad51が体細胞分裂期の組換えに機能する一方、減数分裂期の組換えにはRad51に加え、減数分裂期特異的RecAホモログDmc1が働くことと知られている。Rad51, Dmc1ともにDNA上のフィラメント構造は類似していて、その特異性は一緒に働く正,負の因子群の働きにより決まる。本研究は、Rad51, Dmc1によるDNA鎖相同検索反応の分子基盤を理解するために、我々の同定したRad51集合を助ける新規因子、Psy3-Csm2-Shu1-Shu2複合体の構造学解析に基づく分子論的機能解析、Dmc1の集合を担うMei5-Sae3複合体の構造解析に加え、相互作用する因子をDNA末端の機能的非対称性と言う点から機能解析し、統括的に体細胞、減数分裂期の組換えの特性を分子レベルで理解することを目的とする。23年度は以下の成果を上げた。 Psy3, Csm2, Shu1, Shu2の4つの因子は組換えに関わることが示されているが、その分子実体は不明であった。これらの因子の中で、Psy3, Csm2がコアとして4量体を形成し、これらが細胞内で、Rad51の集合を促進することを見出していた。さらに、Psy3-Csm2-Shu1-Shu2 (PCSS)4量体、Psy3-Csm2 (PC) 2量体を精製し、それらがDNA結合活性を有することを見出している。PC2量体の構造解析を目指して、結晶化を試みたところ、良質な結晶が得られ、十分な解析像が得られた。位相を決めるため、セレノメチオニンの誘導体を精製し、結晶化に成功した。現在、解説像をもとに、構造の精密化を行っている。Dmc1の集合を助けるMei5-Sae3の性質を理解するため、その構造解析の第一歩として、その結晶化に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
組換え反応に中心的な役割を果たすRad51の集合を促す新規のタンパク質複合体、Psy3-Csm2-Shu1-Shu2四量体を同定した。この複合体のコアであるPsy3-Csm2がDNA結合活性を持つことを見つけた。さらに、Psy3-Csm2二量体のX線構造解析を目指し、その結晶化に成功し、さらに、将来構造を得るだけに十分な回折像を得ている。同時にDmc1の集合を促すことが知られているMei5-Sae3の構造解析のもとになる結晶化にも成功した。タンパク質複合体の構造的視点から2つのRecAホモログ、Rad51, Dmc1の減数分裂期の組換えの機能分担に関する情報が得ることが期待でき、今後の大きな進展が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
Rad51の集合を促すPsy3-Csm2-Shu1-Shu2(PCSS)四量体のコアであるPsy3-Csm2がDNA結合活性を持つことを見つけた。さらに、Psy3-Csm2二量体のX線構造解析に必要な結晶化に成功し、十分な回折像を得ているので、セレノメチオニンを含む誘導体の結晶の回折像を得ることで、最終的な構造を決定する。その構造に基づき、DNA結合活性やRad51の集合に必要な領域についての詳細な変異解析を行うことで、この複合体のRad51集合を促進するメカニズムに迫る。特に、Rad51, PCSS複合体を用いて試験管内の組換え反応系の確立が急務である。また、PCSS複合体はDNA複製フォークの修復にも関わることが知られているので、その機能を生化学的にも明らかにすることも大きな将来の目標となる。一方、Dmc1の集合を促すことが知られているMei5-Sae3の構造解析については、セレノメチオニンを含む誘導体の結晶を作成することで、位相の決定、立体構造を目指す。
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Research Products
(4 results)