2012 Fiscal Year Annual Research Report
新型分割イントロンの切り出し因子同定に基づく真核生物mRNA成熟機構進化の解明
Project/Area Number |
23247038
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
橋本 哲男 筑波大学, 生命環境系, 教授 (50208451)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 祐司 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (50387958)
奈良 武司 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40276473)
飯田 慶 独立行政法人理化学研究所, 生命情報基盤研究部門, 研究員 (00387961)
|
Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2015-03-31
|
Keywords | 機能進化 / イントロン / スプライセオソーム / Giardia |
Research Abstract |
真核生物スプライセオソーム進化の全体像を明らかにするために、原始的真核生物の一候補であるGiardiaゲノムに発見されたtransスプライシングにより切り出される新型『分割イントロン』に注目して研究を行っている。Giardiaゲノム中での分割イントロンの分布、スプライセオソーム構成因子の全容解明を行い、スプライセオソームの構成因子レパートリーをGiardiaと他の真核生物間で比較することで、真核生物スプライセオソーム構成因子と機能に関する共通・普遍性と、例外・特異性を解明することを目的としている。 H24年度は、配列相同性検索と5’ RACE(rapid amplification of cDNA ends)解析の結果を合わせることで、ゲノムデータ中の分割イントロンを探索した。また、既存の網羅的転写産物(EST)データを行い、ESTデータをゲノムデータへマップすることにより、通常・分割イントロンを探索した。このESTデータの中には発現していない遺伝子が存在する可能性もあるため、シスト化を誘導したり熱ショックを与えたりした際のESTをも用いて比較解析を行う必要がある。その準備段階として、複数の遺伝子を用い通常の栄養体増殖の状態との比較でそれらの発現が大きく異なるような条件の検討を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
既存のESTデータとゲノムデータとの比較により通常および分割イントロンの探索を進めているが、このESTデータの中には発現していない遺伝子が存在する可能性もあるため、シスト化を誘導したり熱ショックを与えたりした際のESTをも用いて比較解析を行う必要がある。その準備段階として、複数の遺伝子を用い通常の栄養体増殖の状態との比較でそれらの発現が大きく異なるような条件の検討を行っているが、適切と考えられる条件を決定できていない。条件検討にまだしばらくの時間を必要とするため、その間インシリコ・RACE解析からの分割イントロンの探索を効率的に進めていく予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
H24年度に引き続き通常・分割イントロンの探索を行う。きさまざまな培養条件下でのESTデータとゲノムデータの比較により新規のものの発見に努める。 一方、Giardia細胞内でタグ付きスプライセオソーム構成因子を発現させ、タグアフィニティー精製によりスプライセオソーム全体を単離する。単離した複合体から、RNA・タンパク質を精製し、それらの塩基・部分アミノ酸配列を決定する。得られた配列データをゲノムデータに照らし合わせ、スプライセオソーム構成因子を網羅的に同定する。 さらに、スプライセオソームの構成因子レパートリーを、Trypanosoma、ヒト、線虫、酵母間で比較解析し、今後Giardiaにおける解析結果と比較するための準備を整える。 本年度はアフィニティー精製とタンパク質解析を重点的に進める。実験が順調に進まない可能性もあるため、少なくともバイオインフォマティクスのアプローチによる成果が出せるようにインシリコ研究も並行して進める。
|
Research Products
(2 results)