2011 Fiscal Year Annual Research Report
トマト研究基盤を活用した植物寄生に伴う組織接続機構の研究
Project/Area Number |
23248005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
青木 考 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (30344021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 健太郎 明治大学, 農学部, 准教授 (00446543)
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Keywords | トマト / 寄生植物 / 通導組織 / 接続 / ゲノム |
Research Abstract |
平成23年度の本研究では、トマト矮性品種マイクロトムと根寄生植物オロバンキ・エジプティアカの間での寄生関係を、再現性良く成立させる条件の確立をめざしある程度の数量で寄生成立部位のサンプリングが可能なステージに到達することができた。 今年度は研究代表者が研究機関を移動したため、新しい機関におけるオロバンキ・エジプティアカの輸入許可の取得、ならびに宿主植物生育条件、寄生植物生育条件等の検討から実施した。根での寄生状態を観察しやすくするため土壌をもちいずに、プラスチックプレート中でガラスろ紙にトマトを移植しトマト根をろ紙上で成長させてそのろ紙上に発芽処理したオロバンキ種子を散布することで寄生複合体を取得する方針で条件検討を行なった。トマト地上部もプラスチックプレート内で生育させる仕組みの場合、新しい機関の生育条件であるとプレート内の湿度が問題となってトマト生育が思わしくなかった。そこでプラスチックプレートでなく、プラスチックバッグを用いて地上部を袋の外で生育させる条件に移行し、これによってある程度の寄生成立部位を確保できるようになってきた。我々の条件検討だと、トマトの根の幼若な部位よりは成熟した部位により寄生が成立する頻度が高いように思われたが、生育をより高密度化するために、側壁に穴をあけた小型のプラスチックプレートを利用して、トマトの移植無しで寄生系を得る方法も並行して検討している。これらの実施によって、寄生段階別遺伝子発現用サンプルのうち、オロバンキがtubercleを形成した時点以降のサンプルはバイオロジカルな繰り返しをいれて取得することができた。 また明治大バイオインフォマティクスグループは、トマト遺伝子発現解析用のゲノム配列解析データベースサイトの構築を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者が研究機関を移動したため、新しい機関における寄生植物輸入許可の取得、ならびに宿主植物生育条件、寄生植物生育条件等に時間を要したため。また新しい機関における実験実施担当学生のトレーニングに時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度には、いくつかの寄生段階におけるオロバンキ-トマト複合体サンプルを系統的に取得し、RNA-seqによる発現遺伝子解析を進める予定である。また当初計画にあげていたオロバンキ・エジプティアカと並行する別のトマト寄生植物システムとして、本年度中にトマト-ネナシカズラ系の構築を進める。
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